新生スカイマーク市江社長に聞く、次の成長と国際線戦略
夏期のサイパン線・定期便化に意欲
“第3極”の存在価値を活かす品質へのこだわり
市江 春休みのチャーターでは、旅行会社3社にパッケージ商品で販売していただいた。サイパンは完全にレジャー需要なので、やはり空港から街中のアクセスなども含むセットの方が利用されやすいと思う。ゴールデンウィークのチャーターも同様に考えている。
実は当社の国内線でも、約8割がオンライン予約だが、残り1割強は旅行会社のお世話になっている。例えば茨城空港発着の路線でも、地元の旅行会社が「スカイマークに乗って京都に行こう」というツアーを作ってくださっている。また、仙台の旅行会社には、地方路線に多いエンブラエルやボンバルディアと比べればB737型機が大きいことからツアー販売がしやすいと喜ばれている。北海道、中部、関西、九州・沖縄の営業所があり、こういうWin-Winの関係はあると思う。
市江 確かに就航地を検討する前は、インバウンドの需要が見込める一方で路線が太くない就航地が考えどころだと思っていた。ただ、最初のステップとしてはこれでいいと思うし、直行便がないので就航したいと思ったのも確かだ。とはいえ、日本人のアウトバウンドだけを続けるわけではなく、今後も他の路線を検討はしていく。
市江 例えば日本/台北間は双方向の需要が見込めるが、当社が成田/台北線を出すかというと、そこはレッドオーシャンだ。しかし、茨城/台北となると話が違うかもしれない。商圏の北関東に、成田や羽田よりも茨城に行く方が近いという人が600万人以上いるというのは大きい。
神戸も国際線定期便の扱いによるが、神戸なら台北もありうると思う。神戸市よりも西に居住する人も多い。大阪も、大阪駅から西側の場合、神戸空港の方が近いという人が多くいる。市江 基本的には単通路のナローボディ。今はB737-800で座席数177席なので、ロードファクターを考えると200席を超える程度が良いと思っている。ボーイングならB737MAX10、エアバスならA321。ワイドボディは次の課題になる。
ナローボディ機で入れ替えをすることになり、B737の場合はそれがやりやすく、A321の場合は乗員や整備の点で準備に時間がかかる。どちらも一長一短があるが、A321で面白いと思うのは、補助タンクを積めば航続距離が相当伸びることと、コンテナが積めること。国際線を頭に置いた場合、就航地の選択が増えるうえに、貨物もできるようになるので収入が見込める。