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女性役員を旗頭に実行、JTBの働き方改革とダイバーシティ推進

-就任して以来、具体的にはどのような取り組みを進めてきましたか

高崎氏 高崎 改革にはトップダウンとボトムアップの双方向の取り組みが必要です。トップダウンに関しては社長(高橋広行氏 ※高ははしご高)が積極的に発言し、メッセージを発信していますので、自分はもう一方のボトムアップの方に力を入れています。

 まずは全国の175拠点に設けた「ダイバーシティ推進委員会」でボトムアップの取り組みが進むよう、組織の整備に努めています。また、啓蒙活動として、これまでに全国の9ヶ所で女性社員のための「なでしこフォーラム」を開催しました。対象者は営業経験4年目までの社員で全国に約400人いますが、そのうち280人がすでに参加しました。彼女たちにはそれぞれの拠点で活動の核になることを期待していて、「何かあればいつでも連絡して」と呼びかけています。

 また、昨年の12月には働き方や人材などの多様性について、グループの全社員のさらなる理解や推進をめざすための初めてのイベント「JTB Diversity Week 2018」も開催しました(関連記事)。5日間にわたり講演や研修、パネルディスカッションなどを実施し、「ダイバーシティ川柳」を募集して優秀作を表彰しました。社員全員が改革を他人事としてではなく、どれだけ「自分事」として考えらえる環境を作るかが重要だと考えています。

-女性の活躍の推進についてはどのように考えていますか

高崎 昨年の「日経WOMAN 企業の女性活用度調査」の管理職登用度部門で、JTBは4年連続の1位を獲得しました。また、グループ会社にはすでに女性の役員がいます。ただ、本社については私が初めての女性役員なので、もっと女性に活躍してもらう環境を整える必要はあるのだと思います。

 女性は基本的に奥ゆかしいところがあるので、多くの男性が「俺ならできる!」と思う場面でも、女性は「私には無理…」と1人で考え込みがちだと思います。だから「ちょっと話を聞いてくれる人」が周りにいることは大事なことです。また、男性が女性に気を使い、良かれと思って「これを無理強いしたら可哀そう」と考えてしまうアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)の壁もあります。

 とはいえ最近では、優秀な女性社員がどんどん育ってきていると感じています。そのような女性をさらに活躍させるには、情報の浸透が重要です。例えばJTBには、育児休暇などを子供が小学校3年生になるまで取得できる手厚い制度がありますが、こういった制度の存在を浸透させ、さらに「将来的にはさらにこう変わるかも」といった情報を共有することが極めて重要で、働く意欲に関わると思います。「なでしこフォーラム」などを通じて、さらなる情報発信に努めていきたいです。

 そのほかダイバーシティに関しては、シニアが持つ経験値や職人的なノウハウも活かしていかなくてはいけません。LGBTについても然りで「仲間として存在するのが当たり前」ということだけではなく、彼らの個性を十分に活かせる環境を整えていきます。外国人については、すでに多くの社員が活躍しています。