旅行業・観光業DX・IT化支援サービス

トップインタビュー:ジャルパック代表取締役社長の江利川宗光氏

「主戦場」のハワイで存在感発揮
若年層にもブランドをアピール

パッケージツアーの未来について、お考えをお聞かせください

江利川氏 江利川 最近ではITリテラシーの高い40代や50代からも「パッケージツアーがいい」という声を多く聞く。何でもインターネットで買うことができる世代ではあるが、やはり「パッケージは楽」と感じるようで、若年層も将来的に時間とお金に余裕が出てきたら、パッケージツアー選ぶ可能性があると思う。

 トラブルが起きた場合のサポートやオペレーションもパッケージツアーの良さで、「家族と一緒の時は安心して旅行したい」「仕事から離れた時はすべてジャルパックに任せて、楽しく旅をしたい」というニーズはあると思う。パッケージ商品の魅力を磨き続けることで、将来もチャンスはあるだろう。

 課題は若年層においてジャルパックのブランドが弱いことで、認知度の向上に注力したい。そのことは、業界全体で推進している若年層の海外旅行の拡大にもつながるだろう。日本旅行業協会(JATA)などとともに取り組んでいきたい。


ホールセラーとして、販売店との関係はどのようにお考えですか

江利川 リアル店舗が持つ意味は大きいと思う。パンフレットを手に取り、店鋪スタッフと相談するお客様はまだまだ多い。ジャルパックとしては、ウェブでの販売にも注力するが、販売店との関係も引き続き重視する。どの業界でも、ウェブとリアルの融合であるオムニチャネル販売が課題なので、我々も考えなくてはいけない。


異業種から旅行ビジネスに参入するプレイヤーが増えていますが

江利川 彼らがすべてライバルになるわけではなく、良きパートナーにもなりうるだろう。パートナーとして組めるところとは組んでいきたい。一方で、切磋琢磨して彼らにはない付加価値を創造することにも取り組まなければならない。


最後にJALグループにおけるジャルパックの位置づけについて、お考えをお聞かせください

江利川 JLグループの事業計画に即した旅行商品を提供し、グループの利益の最大化に貢献することが使命だ。JALブランドを強化し、JLファンを増やす。グループにおける旅行市場のマーケティングでは、ジャルパックは最も大きな機能を持つと思うので、現在と将来についてグループにフィードバックし、発展に貢献する役割を果たしたい。

 航空業界と旅行業界は色々な面で似ていると思っていたが、初めて旅行会社に入ってみると、財務体質など違う面も多いと感じる。さまざまな事業を進めるなかで、人材を含むリソースを最適化し、利益を上げられるところには積極的に投資していきたい。


ありがとうございました