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トップインタビュー: Cansell代表取締役の山下恭平氏

宿泊予約の売買を仲介、「買い取り」も実施
今後は航空券や飲食店の取扱に意欲

-旅行会社経由の宿泊についても取り扱っていますが、課題はありますか

山下 旅行会社経由の宿泊予約も宿泊施設の時と同様に、都度、宿泊者の変呼の可否を確認している。件数はまだそれほど多くないが、旅行会社によりお断りされる場合もあれば、許可をいただける場合、または「宿泊施設次第なので施設に確認を」となる場合もある。新幹線や飛行機などの交通と組み合わせたツアーで、宿泊単体の料金がわからない場合は、我々が宿泊施設の最低価格を調べて、それよりも安くなるよう値付けしている。

 交通手段を安く利用するために、ツアーを購入して宿泊をキャンセルする旅行者がおり、業界内で問題になっているのは承知しているが、いずれにせよ「Cansell」を利用されなければ、客室は使われずに終わってしまう。使わない宿泊施設の予約が2次流通されれば、客室には人が泊まり、場合によっては飲食などプラスの収益が見込める。売り手にとっては多少の返金があり、買い手は通常よりも安く泊まれるなど、それぞれにメリットがある。

 「Cansell」を長く続くサービスにするためには、宿泊業界や旅行業界と手を組んでビジネスを展開していく必要がある。これまでは業界の皆様に我々のサービスを理解していただくための取り組みができていなかったが、今後は業界内の認知度を高めるとともに、協力体制を築いていきたい。


-これから取り扱いたい分野はありますか

山下 国内の宿泊施設がキャンセル対策を強化するなか、消費者は今よりもキャンセル料を取られやすくなっていくと思うので、国内宿泊市場のパイは変わらなくても、「Cansell」を利用したいというニーズは高まっていくだろう。こうした状況を踏まえて、東京オリンピックが開催される2020年までは、宿泊施設の取扱拡大に集中したい。加えて、今後は訪日外国人の取り扱いについても検討していきたい。

 我々は宿泊施設に限定せず、航空便やレストランなど、旅行に関するさまざまな「キャンセル」を取り扱っていきたいと考えている。航空便は搭乗者の名前の変更など、いろいろな課題があるので、取り扱うとすれば国際線ほど規制の厳しくない国内線について、航空会社と組んで公式の2次流通サービスとして提供するしかないと考えている。レストランについては宿泊施設と同様の取り組みで対応できると思う。

 我々は今年の3月に第3種旅行業を取得した。現在は宿泊予約の権利のみを取り扱っているため、業務では必要ないが、今後は事業を拡大する上で必要になることがあると見ている。


-ありがとうございました