JTB、来春の再統合は「第3の創業」、OTAなどに対抗
▽従業員は「削減なし」、店舗は「スクラップ&ビルド」で差別化へ
高橋氏は記者団の質問に答えて、統合される会社の従業員などについては「削減しない」と明言。「今回の再編は前向きな経営改革。リストラではない」と強調した。各地域会社の店舗については「大幅な削減はないが、一部でスクラップ&ビルドはある」と見通しを示し、今後の店舗のあり方としては「旅行を売るだけでは利用者がOTAに流れる。各店舗の質と機能を高めて差別化を進める」と説明。商品ラインナップ、最新技術の導入による情報提供、スタッフによるコンサルティングなどの強化に努めるとした。
そのほか、他業種の企業との協業などによる新たなビジネスモデルの創造にも引き続き意欲を示し、「(グループ内には)すでに旅行業ではないビジネスモデルも多い。今後は国内の旅行会社に限らず、世界の異業種企業もライバル」と主張。従来型の総合旅行会社から脱却するとともに、同社グループが推進する「交流文化事業」に重きを置く考えを示した。
高橋氏とともに記者会見に同席した取締役経営企画部長の金子和彦氏は、地域会社をJTB本社に統合する一方で、官民が共同で進める地域創生については、今後も重視する考えを説明。「ダイナミックかつスピーディーな投資で今後も地域に貢献したい。必要な機能についてはさらに設けていく」と述べた。統合後は各地域での契約はJTB本社が継承し、関係は維持するという。