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三越伊勢丹HD、ニッコウトラベル買収へ、37億円で

  • 2017年2月12日

▽ニッコウは認知度向上や業務拡大に期待、顧客維持も

 三越伊勢丹HDについては、14年までは三越伊勢丹の旅行営業部が三越の顧客に、持分法適用会社のJTB伊勢丹トラベルが伊勢丹の顧客にそれぞれ旅行商品を販売してきたが、15年には100%出資の旅行専門子会社として三越伊勢丹旅行を新設し、2社を統合。その後は百貨店の主要顧客であるシニア層や富裕層に対して自社企画のパッケージツアーなどを販売している。

 ニッコウトラベルは1976年に日航トラベルとして創業した、東証2部上場の旅行会社。60代から70代の旅行者がターゲットで、欧州を中心に「ゆとりある豊かな旅」「高い安心感と満足感」をテーマにしたツアーを販売している。オランダのライム・ツリー・クルーゼズとの業務提携により、リバークルーズ船「セレナーデ2号」を利用したツアーを造成しているのが特徴だ。

 同社は三越伊勢丹HDの傘下に入ることで、新規顧客獲得のための認知度向上、欧州以外へのツアーや国内旅行の企画など、業務拡大に取り組みたい考え。三越伊勢丹HDによるTOBは「顧客の信頼を損なうことなく、企業価値の向上にも資する」という。