現地レポート:ワルシャワ、ショパンが生きた街

  • 2016年10月25日

LO直行便で利便性向上
歴史や体験型素材の魅力をアピール

公園で朝市を見学
リバークルーズや料理体験も

オープンボートでヴィスワ川のクルーズを楽しめる。川沿いにはカワセミなど野鳥が現れ、川にはカマスなどが棲む モトコフ地区の朝食市場。ジャムやハチミツなどをお土産に  前述した通りワルシャワは首都でありながら公園が多く、およそ4分の1が緑地で、WTOはそのなかでの過ごし方を提案している。一部の公園では週末に「朝食市場」が開催されており、例えばモトコフ地区の公園での朝食市場は、各国料理をはじめ、採れたての野菜や果物、肉や魚の加工品、ハチミツやジャム、お菓子など生産者が直売する手作り品の露店が並び、おみやげの調達にもいい。

楽しみながらポーランド料理を作る  街の中心に流れるヴィスワ川は、ほとりにカフェやバーが並ぶほか、クルージングも楽しめる。人数に応じたボートの貸し切りもでき、グループ向けのアレンジが可能だ。今回は12人乗りのボートで川を下り、夕暮れにのんびりと川沿いの緑や川面からの街の景色を楽しんだ。

プラガ地区のソーホーファクトリーはレストランなどが並ぶトレンドスポット  ワルシャワの新しい素材としては、今年の10月に開校したポーランド料理教室がある。ポーランドのパンケーキや水餃子風の「ピエロギ」を生地から作り、最後は試食するというもの。定員は4人から17人までで、説明は英語のみだが、SIT向けの体験型素材となるほか、チームビルディング向けプログラムにも対応するという。

 このほか、ヴィスワ川東側のプラガ地区は戦前の建物が残り、一時は廃れていたものの、今は新しく開発が進んでいる。レストランやギャラリー、オフィスなどが並ぶ元工場跡地を再開発した「ソーホーファクトリー」は、雰囲気のいいレストランや共産主義時代のネオン広告を集めたネオン博物館などがある、若者注目のスポットだ。

 ヨーロッパの中央に位置するポーランド。現地ガイドの日本語能力の高さ、ポーランド人の親日さなども加え、日本人にとって居心地の良さは、観光の大きな魅力となるはずだ。


中欧のハブとして注目度高まるワルシャワ

今年で設立87年となるLOの本社。招き猫が置かれている  LOTポーランド航空(LO)は今年の1月13日から、成田/ワルシャワ線を週3便で運航中だ。LO販売流通取締役代理のピオトル・シャイチク氏は、同路線について「就航当初は75%だった搭乗率は現在95%に上昇した」と評価する。ポーランドへ進出する日系企業は約300社あり、ビジネスクラスも好調」という。

LO販売流通取締役代理のシャイチク氏 日本語を話す地上サービスが案内  同氏によれば、ポーランドを2015年に訪問した日本人は4万1000人で、中欧や東欧から日本への訪問者数は13万6000人。日本路線は始まったばかりだが「大きな可能性がある市場」という。今後は乗客の2割を占めるワルシャワ以遠へのさらなる需要も見込み、「新機材とスロットが整い次第、17年には増便したい」考えだ。

 使用機材はボーイングB787型機で、ビジネスクラス18席、プレミアムエコノミークラス21席、エコノミークラス213席の計252席。特筆すべきは21席のプレミアムエコノミーで、シートピッチが広く、食事も陶器で提供する。日本語を話すスタッフは2人搭乗し、往復で日本食を提供。日本語を話す地上スタッフがチェックインから搭乗ゲートまで案内するサービスは、日本の添乗員などにも好評という。



取材協力:LOTポーランド航空、ポーランド政府観光局、ワルシャワ観光局
取材:平山喜代江