カナダ、建国150周年へプロモ加速-RVC2016(1)

日本では「カナダシアター」を核に訴求
東京に体験型テーマパークも

冬の需要喚起、教育旅行にも注力

モントリオールのアイコン「ノートルダム聖堂」  半藤氏は冬期の需要喚起を大きなテーマとして掲げていることについても説明し、「夏期はどこのホテルも稼働率が高く予約が取りにくい状況。冬のマーケットを確立することで需要の平準化をはかりたい」と話す。カナダシアターのテーマに沿った商品造成を促すことで、今冬の日本人送客数は10%増をめざす。

 このほか、カナダ政府が進めるミレニアル世代の取込強化策に沿う形で、教育旅行へのアプローチも強めていきたい考え。半藤氏は「文化の多様性、安心・安全、環境など現代の課題を学ぶ上で、カナダは最適なデスティネーション」とアピールするとともに、「観光局としてできることは限られているが、まずは旅行会社にカナダでしかできないことを提案していきたい」 と述べた。

 なお、来年のRVCはアルバータ州カルガリーで5月9日から12日までの日程で開催される。


エア・カナダ、路線再開や機材大型化で供給増加

AC旅客営業部旅客営業開発サポートマネージャーの小下道也氏  エア・カナダ(AC)は今の夏ダイヤで、15年冬ダイヤには運休していた成田/トロント線と関空/バンクーバー線を再開した。旅客営業部旅客営業開発サポートマネージャーの小下道也氏によれば「両路線とも前年よりも予約数は増えている」とのことで、特にエア・カナダ・ルージュで運航する関空線は、2年目の今夏は認知度も上がり好調だという。各路線の通年化については、トロント線は「成田ではアジアへの乗継需要を拾うことができる」ことから今後の期待が持てるとしたほか、関空線は「まずは夏のデイリー化を実現してから」との認識を示した。

 また、アウトバウンド、インバウンド双方の需要が好調であることから、成田/バンクーバー、カルガリー線と羽田/トロント線で機材を大型化。関空/バンクーバー線も週6便に増便し、需要増に応える。

 今後はプレミアムエコノミークラスの販売に力を入れていく。東京発の便にはすべて同クラス導入することから、広告展開などで露出を増やすほか、旅行会社とのタイアップも継続的に進めていく方針だ。また、以遠戦略として、キューバ線の販売に引き続き注力するほか、認知度が高まってきたカナダ経由の米国行きについても力を入れるという。カナダ経由の場合は電子渡航認証としてカナダの「eTA」と米国のESTA両方を取得する必要があるが、「eTAは有効期間が5年と長く、取得料も7カナダドルと高くないので、足かせにはならないだろう」との見方だ。


取材協力:カナダ観光局
取材:山田友樹