日本旅行、14年営利は12%減-赤い風船は販売高過去最高、15年は減益予想
▽15年は減益予想、円安や中計達成の投資などで
2015年12月期(2015年1月1日~12月31日)の連結業績予想は、営業収益が14年比2.1%増の554億円と増加するも、営業利益は31.3%減の11億円、経常利益は26.4%減の18億4000万円、当期純利益は24.9%減の10億9000万円の減益を見込む。日本旅行単体でも、営業収益は2.1%増の472億円、営業利益は36.9%減の4億円、経常利益は49.8%減の8億6000万円、当期純利益は59.3%減の4億4000万円との予想だ。
日本旅行によると、2015年は個人消費を中心に景気のゆるやかな回復が期待できる一方、景気の下振れリスクや円安基調の継続、国際情勢などが影響する見込み。各中核分野への取り組みを強めることで営業収益は連結、単体共に増加を予想するが、インターネット販売拡大のための広告費などの諸経費の増加や、中期経営計画達成に向けた要員確保・人材育成費など一定の経費の増加を見込んでいることなどで、減益を予想しているという。
15年は中核分野において、教育旅行で各種大会の取組強化を継続。教育旅行向けICTソリューションサービス「E2なび(いーなび)」のさらなる活用をめざす。MICEでは首都圏での専門特化企業や組織団体への営業を広げるとともに、スポーツ・ツーリズムにも力を入れて取り組んでいく。BTMでは「出張なび」の導入を拡大。インバウンドでは中央省庁や外郭団体などへの国内営業を深化し、海外旅行会社の連携や宿泊施設などとの仕入れ強化を今まで以上に進める。
また、個人旅行では重点顧客層にさらに注力していく。JRセットプランの販売拡大とともに、インターネット販売でのコンテンツの充実や店舗営業での接客スキルの向上などによる顧客の増加、リピーター化にも取り組む。
海外旅行事業では市場の状況を踏まえ、ヨーロッパやアジア商品の充実をはかるほか、イベントへの取り組みを継続。羽田発着やLCCなど、市場環境に合わせた仕入れ強化もめざす。国内ではJRセットプランのさらなる充実とともに、北陸で法人、個人旅行営業の枠組みを超えた取り扱いを強めていく。また、110周年を記念し、国内外で記念商品の造成や各種キャンペーンを展開していく予定だ。