「変化こそ旅行業の魅力」、現役社員による生の声-ツーリズムEXPO

  • 2014年10月28日

JATAが就活生向けセミナー開催
業態・職種の理解でミスマッチ予防を

若手社員がパネルディスカッション
志望動機やギャップなど説明、アドバイスも

◆パネルディスカッション

・モデレーター
ユナイテッドツアーズ総務部部長 高橋尚之氏

・パネリスト
i.JTB販売本部・レジャーチケット販売部 藤浪祐貴氏(入社6年目)
エヌオーイー(NOE)東京旅客営業本部メディア・広告営業部 藤原和香氏(入社3年目)
近畿日本ツーリスト(KNT)ECC営業本部・第7営業支店 上田拓氏(入社5年目)
日本旅行国際旅行事業本部・海外旅行営業部米州営業課 川崎晴行氏(入社6年目)
ビーエス観光東京本社 中村嘉章氏(入社22年目)
トップツアーMICE営業推進室 中山朋子氏(入社14年目)


パネルのモデレーターを務めた高橋氏  セミナーの後半では、旅行会社の最前線で働く若手社員を集めたパネルディスカッションを開催。現役社員がなぜ旅行会社をめざしたのか、旅行業の魅力・やりがいなどについて各自の意見を出し合った。

 まず、モデレーターを務めたユナイテッドツアーズ総務部部長の高橋尚之氏が「なぜ旅行会社をめざしたのか」と問いかけた。i.JTBの藤浪氏は、「純粋に旅行が好きだったことに加え、昔から人を喜ばせることが好きだったので、旅行を通じてお客様に喜ばれる旅行商品を提供したかった」と回答。また、KNTの上田氏は、「とにかく自分の好きなスポーツに関する仕事がしたかった、その花形である国際大会に関われる仕事は何かと考えていた中で、旅行業の存在を見つけた」と経緯を語った。

 次に、入社前のイメージと入社後に感じたギャップについて聞いてみると、NOEの藤原氏は、「地道な仕事が多いというのが一番のギャップ」と発言、「旅行会社というと華やかなイメージがあったが、下調べや細かな確認作業がほとんどで、それが一番大事であることが分かった」と感想を述べた。また、日本旅行の川崎氏は「社外に居る時間が意外と長いことが大きなギャップだった」などと述べた。

パネルディスカッションでは若手社員らが登壇。左から藤浪氏、藤原氏、上田氏、川崎氏、中村氏、中山氏 これまで一番印象に残っている仕事について聞くと、ビーエス観光の中村氏は「インドでフライト中に行き先が急遽変更された際、素早く対処したことをお客様に褒められた時」と回答。トップツアーの中山氏は、入社1年目の添乗で渡米した際に9.11同時多発テロが発生したことを挙げ、「旅行業に想定外のトラブルは付きものだが、(9.11の体験のおかげで)少々の事では動揺しなくなった」とエピソードを話した。

 さらに、旅行業界の魅力・楽しさについて各自の意見を聞いたところ、i.JTBの藤原氏は「お客様に直接『ありがとう』と言われること」、近畿日本ツーリストの上田氏は「多くの人に関わって初めて成り立つ仕事」、トップツアーの中山氏は「人を感動させる商品を扱えること」などと回答。一方、業界の厳しさについては、ビーエス観光の中村氏が「なかなか仕事が取れないこと」などの体験を語った。

 最後に、旅行業界をめざす学生がいま、何をしておくべきかという問いに対し、i.JTBの藤原氏は「旅行業界の中にもいろいろな会社があり、いろいろな職種がある幅広さを勉強してもらいたい」とアドバイス。また、日本旅行の川崎氏は「時間のある時に世界中いろいろな所へ行って、その経験を伝えてもらいたい」と話した。

取材:川嶋光智