トップインタビュー:エティハド航空日本支社長 稲場則夫氏

2013年は飛躍の年
きめ細かいサービスで需要獲得へ

-日本市場での販売の現状と戦略についてお教えください

稲場 中東プラス欧州、中東プラスアフリカのようなコンビネーションが多い。特にビジネスでは、エネルギー、プラント建設、技術供与、コンサルティングなどの場合、中東とアフリカがコンビネーションになるようなケースが多い。

 レジャーはアブダビなど中東、欧州、アフリカが中心で、商品としては、アブダビとドバイ、UAEをメインに据えているものが半数近い。欧州は直行便による座席供給量が多い中で、欧州のどこかと“ラクダ”のようなコンビネーションを打ち出している。また、一部モルディブなども、ビーチの帰りに少し砂漠を見て帰るようなツアーも作られている。

 ターゲットは全方面。ビジネスだけでもなく、これからは学生需要にも積極的に取り組んでいきたい。つながる路線はどこでも販売する。我々の強みは、ワールド・リーディング・エアラインとして4年連続で評価されるなど、機内サービスの品質が非常に高いこと。是非お試しいただきたい。繊細さがあり、日本人のお客様へのサービスについても勉強している。

 ビジネスクラスでは会席料理を用意しているし、日本人客室乗務員も搭乗している。機内インテリアやエンターテイメント機器も、一度利用していただければ満足していただけるはずだ。リピーターの方も多い。


-アブダビへの需要喚起についてお考えをお聞かせください

稲場 ドバイについては認知度が上がっているが、アブダビはまったくこれから。しかし、女性に人気の高い米国のテレビドラマの映画版で舞台になったこともあって、女性の興味は比較的高い。ホテルのファシリティが良いことに加え、街のすぐそばにビーチがあり、海がきれい。

 ホテルもプライベートビーチを持っているところが多く、女性がのんびりしてショッピングをしたりするにはちょうど良いのではないか。また、タクシーも安く、税金もかからない。リピーター率は女性が高い。男性も例えばゴルフ場など良いものがあるため、伸ばしていきたい。

 アブダビは次々に開発が進められている都市で、例えばF1グランプリが開催されたサーキットの横に「フェラーリ・ワールド」という世界一の規模を誇るインドアパークがあるが、さらにそのそばに世界最大級のウォーターパークが開業を予定している。

 加えて、サディアットという島には、ルーブル美術館とグッゲンハイム美術館ができる予定で、こうした施設ができてくれば、アブダビそのものがデスティネーションになってくると思う。