ピックアップ:JAM2011~震災後の回復とオーストラリアの新素材(1)

  • 2011年10月12日

▽ノーザン・テリトリー政府観光局

ノーザン・テリトリー政府観光局マーケティングマネージャーの鎌田亜紀氏  震災後の市場動向について、同観光局では、熟年層の戻りは遅いものの、ハネムーンは確実に回復していると見ている。全体的に見れば、ノーザン・テリトリーは高額商品が中心のため、震災の影響によるキャンセルは少ないようだ。プロモーションの中心はレッドセンターのウルル・カタ・ジュタ国立公園。すでにさまざまな形で商品化されているが、「まだ本物の魅力は伝わりきれていない」として、アボリジニの文化的側面やヒーリング、パワースポットなどの癒し体験をさらにアピールしていき、ウルルで2泊以上の滞在を働きかけていく。

 また、ウルルには日本人旅行者向けのサービスが充実しているランドオペレーターもあるため、FITも不便なく旅行できると強調。今後はFIT市場の掘り起こしにも力を入れていきたい考えだ。


▽タスマニア州政府観光局

タスマニア州政府観光局日本地区局長のアダム・パイク氏(右)とマーケティング・リプレゼンテティブ・ジャパンの岩崎良太氏(左)  観光局によると、震災の影響はほとんどないようだ。タスマニアのハイキングシーズンは3月までのため、震災後のキャンセルも少なかった。タスマニアはコアな旅行者が中心。そのため「パッケージも含めて市場に変化はない」という見立てだ。

 メルボルン/タスマニア/シドニーを結ぶクルーズも好調。タスマニアではバーニー、ホバート、ポートアーサーなどに寄港し、世界遺産クレイドルマウンテン国立公園などタスマニアの大自然をめぐる。観光局ではオーストラリアが夏を迎える今年の下期はタスマニアの人気がさらに高まると期待している。


▽ビクトリア州政府観光局

ビクトリア州政府観光局日本局長のアダム・パイク氏  観光局では震災後の影響について、パッケージの落ち込みはあるものの、FITやSITは伸びており、教育旅行も維持していると分析している。カンタス航空(QF)、シンガポール航空(SQ)、キャセイパシフィック航空(CX)のメルボルン路線も減便はなく、市場への影響は少なかったようだ。観光局では今後も、全豪オープンテニス(1月)、競馬のメルボルンカップ(11月)、メルボルンマラソン(10月)などのイベントのプロモーションに力を入れ、誘客に結びつけていきたい考えだ。

 このほか、メルボルン・フード&ワイン・フェスティバル(3月)、F1オーストラリア・グランプリ(3月)、メルボルン国際フラワー&ガーデンショー(4月)など年間を通じて多彩なイベントが楽しめることを強調していく。