トップインタビュー:NZ日本・韓国地区支社長オーバリー氏
2つの震災を乗り越え、需要も回復へ
冬期には供給量増で再びプラス成長めざす
-アジアのなかでは中国やインドといった新興国の海外旅行需要が伸びています。そのなかで、日本市場をどのように位置づけていますか
オーバリー 中国の経済成長は著しく、観光を主産業としている国はどこも中国に注目していると思う。しかし、NZは31年にわたって日本に路線を張り、毎年利益をあげている。さらに、日本人旅行客の現地消費額は大きく、ニュージーランドの観光産業に大きな利益をもたらしている。現地のオペーレーターたちも同じ考えだ。クオリティ・マーケットとして日本は引き続き重要な地位を占めている。
確かに、日本の経済は停滞し、GDPの伸び率も高くない。人口の成長率も低く、高齢化も進んでいる。悪いニュースが多いと思われがちだが、現在でも年間1600万人以上が海外に出る市場だ。そのうち、ニュージーランドを訪れる日本人は1%以下。もし、その割合が0.75%まで上がれば、ニュージーランドへの日本人旅行者数は現在よりも50%増えることになる。まずは、ほかのデスティネーションにはない魅力を打ち出して、マーケットシェアを上げることが大切になってくる。
-日本の旅行会社との関係についてお聞かせください
オーバリー NZはジェイティービー(JTB)、近畿日本ツーリスト(KNT)など、大手旅行会社と長年にわたるパートナーシップを持っている。これは、NZにとってかけがえのないものだ。これからも、同様に日本の旅行会社とは協力していきたい。シニアなど従来の旅行形態を好む層にとって、旅行会社は重要な販売チャンネルだ。
一方、特にFITは自分たちで航空券、ホテル、レンタカーなどを手配する。このマーケットに対しては、インターネットやコールセンターなど直接販売できるチャンネルを提供していくことも大切で、NZとしてもウェブサイトで割引運賃を提供することで需要を開拓していく。しかし、そうした割引運賃に偏重することはしない。旅行会社との関係を引き続き重視していく考えだ。
-ありがとうございました