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ツアーGP最優秀賞、KNT関東「BANANA FISH」コラボ商品の舞台裏

KNT関東の若手がミーティングで発掘
ソーシャルメディアを活用、販促や共感のツールに

金井氏  日本旅行業協会(JATA)がこのほど主催した「ツアーグランプリ2019」の最優秀賞である「国土交通大臣賞」に、近畿日本ツーリスト関東(KNT関東)が今年2月に催行した「BANANA FISHオフィシャルツアー in NY」が選ばれた。「BANANA FISH」は1985年から1994年にかけて連載された人気少女漫画で、ラジオドラマ化や舞台化を経て、昨年に作者の活動40周年記念プロジェクトとしてテレビアニメ化。KNT関東は製作会社のアニプレックスの協力を得て、作品の舞台のニューヨークを3泊5日の行程で訪れるオフィシャルの募集型企画旅行商品を造成した。

 その結果、同商品はインターネット上のみの募集で、目標を上回る250人を集客。オフシーズンのニューヨーク旅行の販売にも貢献するなど、近年増加するアニメなどの聖地巡礼ツアーの分野において際立った成功を収め、審査員からは「次世代の旅」と評価されるに至ったが、その成功のポイントは何だったのか。企画や造成、催行までの舞台裏について、担当者である本社営業部コンテンツ開発チームの金井美咲氏に聞いた。インタビューには、営業本部販売部長兼本社営業部長の清水智裕氏も同席した。

-まずは、今回のツアーの企画に至った経緯を教えて下さい

©吉田秋生・小学館/Project BANANA FISH金井美咲氏(以下敬称略) 旅行商品のテーマとなる新しいコンテンツを探している時に、プレスリリースで「BANANA FISH」がアニメ化されてテレビ放映されることを知り、私たちから製作サイドに提案しました。

 今回の商品造成に直接的に関わったのは、企画営業を担当した私を含めて3、4名で、間接的なサポートも含めると、もっと多くのスタッフが関わっています。さらに、社長を含む上席の知見も取り入れながら、どのようなツアーにしていくかを考えました。

清水智裕氏 (以下敬称略) KNT関東は以前から宇都宮、前橋、水戸などから若手を集めて定期的にミーティングを開き、アニメやゲームなどのコンテンツを商品化する可能性を探っているが、今回のツアーもそのなかで生まれた。上の世代が知らないコンテンツを若い世代が見つけ出すことで、商品化に向けた可能性が広がるだけでなく、彼らのモチベーションの向上にもつながっている。

 今年4月には営業部内に、金井などからなる「コンテンツ開発チーム」を立ち上げた。商品化できる優良なコンテンツは自然に降ってくるものではなく、こちらから見つけに行かなければいけないものなので、専門の営業チームが必要だった。

-KNT-CTグループは「地域密着」を掲げて分社化を進めましたが、KNT関東についてはどのようになっているのでしょうか

清水 KNT関東の主たる使命は北関東・甲信越地域に根ざし、地域のお客様の課題を旅行会社の立場で解決していくことだが、同時に地域の枠組みに囚われず、気が付いた案件には取り組んでいくこともミッションとしている。