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ロイヤル・カリビアン、3世代で楽しめるカジュアルクルーズの魅力

大人から子供まで楽しめる豊富なエンターテイメント
旅行会社のコンサルティングでクルーズ人口拡大へ

クルーズは旅行会社経由の販売がメイン
初心者へのコンサルティング強化を

船上ではさまざまなイベントが開催されている。ドリームワークスのキャラクターが登場する場面も  ボイジャー・オブ・ザ・シーズをはじめとした、RCIの「ボイジャークラス」は13万トン級の大型客船で、乗客定員は3000名以上。リーズナブルな料金帯のカジュアルクラスとして人気を博しており、16年は同クラスの「マリナー・オブ・ザ・シーズ」(13万8279トン、乗客定員3114人)で、ゴールデンウィーク前後に上海発東京着のクルーズと横浜発上海着の日本片道クルーズ2本を予定している。

寄港地観光もクルーズの楽しみの1つ。今回立ち寄った済州島の城山日出峰はUNESCOの世界自然遺産にも指定されており、頂上までのトレッキングが楽しめる  ミキ・ツーリストによると、同社の日本発着クルーズの乗客のうち、8割は旅行会社の集客によるもの。クルーズは「旅行会社の協力で販売する商材」との認識で、旅行会社に対しセミナーやファムツアーなどを積極的に実施している。

  インターネットの発達による航空券やホテルなどの直販化やOTAの台頭、航空会社の旅行会社に対するコミッションの減少など、旅行会社を取り巻く環境は年々厳しさを増している。こうしたなか、クルーズは旅行会社にとって販売単価が大きく、手数料の割合も航空券などと比べて高いため、魅力的な商材と言えるだろう。

クルーズ中には通常は入ることができない操舵室やキッチン、エンジンルームなどを見学できる「オールアクセスツアー」が開催される。1人150米ドルで、終日航海日のみの人気のツアーだ
 国土交通省海事局によると、14年に乗下船地および寄港地に海外が含まれる外航クルーズを利用した日本人は、前年比2.3%減の13万7800人と前年を下回った。しかし、日本人は09年の8万2200人から4年連続で前年を上回っており、13年は過去最高の13万8100人を記録している。

食事もクルーズの楽しみの1つ。写真はメインダイニングの主菜「ガーリック風味のタイガーシュリンプ」 13年に外国船社が大規模な日本発着クルーズを開始して以降、未経験者が初めてクルーズを体験する機会が増加している。そうしたクルーズ初心者は「クルーズでは何ができるのか」といった基本的な知識が少ないことから、旅行会社に情報提供を求めるケースが多い。今後はクルーズ初心者に対するコンサルティング力が重要になってくるだろう。

 ただし、クルーズ専門の旅行会社からは「(一般の)旅行会社側もクルーズについて知らないのが現状」との指摘や、専門会社や一部の大手旅行会社のクルーズ専門デスクなどでの販売が目立っているという声が挙がっている。今後、消費者のニーズに対応し、取扱人数を増加するためには、旅行会社側もクルーズに対する知識を増やしていく必要があるのではないか。

取材協力:ロイヤル・カリビアン・インターナショナル(RCI)、ミキ・ツーリスト
取材:本誌 大宗憲知