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トップインタビュー:エアアジアX(後)、日本市場での展望と差別化

  • 2012年8月7日

流通の基本はオンラインも旅行会社のバリューに期待
成田就航にも高い関心



-流通における直販比率は現在どれくらいでしようか

オスマン・ラニ 全体でいうと90%以上がオンラインによる直販。AKグループのモデルは旅行会社との緊密な連携でビジネスを進めるというものではない。旅行会社の使っているシステムと我々のシステムは違うので、簡単にリンクさせることは難しい。基本はやはりオンラインだ。

 一方で、旅行会社が持っているバリューには大きな可能性を感じている。例えばホテルの代わりに村の家にホームステイするなど、旅行会社が“スペシャル・ソリューション・プロバイダー”として付加価値の高いパッケージを組むことも可能だろう。オンラインとのバランスを考えながら、そうしたソリューションの提供可能な旅行会社と協業することはあり得る。

 日本の旅行会社が、LCCは売りにくいという印象を持っていることは知っている。しかし、日本の旅行会社数社とは就航する前から付き合いがあり、現在も彼らとのビジネスはゼロではない。日本路線では時期にもよるが2割は旅行会社経由。これから関係を拡大していくためには、時間と人がもっと必要になってくるだろう。


-出張需要について、どのようにお考えですか

オスマン・ラニ 高い関心を持っており、そうした需要に応えるためにプレミアムシートを提供している。日本とマレーシアの路線ではD7のほかにレガシーキャリア2社が飛んでいるが、フルフラットシートを提供しているのはD7だけだ。羽田線については、深夜発なのでプレミアムシートを利用すれば、ゆっくり休むことができるはずだ。料金も他社と比べればかなり低いと思う。

 エコノミークラスの平均搭乗率が約80%に対して、プレミアムクラスは約75%。12席しかないので、ある時は満席、ある時は半分と差がある。プレミアムシートを増やす計画は今のところない。プレミアムシート1席を設けるのに、エコノミー3席をつぶさなければならないため、それほど簡単な話ではない。常時95%以上が売れるのであれば考えるが。