JAL新LCC、ZIPAIRが機内公開-「フルフラット」シートの詳細は?

  • 2019年12月18日

 ZIPAIR Tokyoは12月18日、来年5月の就航時に使用する初号機の内装を公開した。機材はもともと親会社の日本航空(JL)が利用していたB787-8型機で、JLの国際線仕様では200席前後を配置するが、ZIPAIRでは290席を設定した。

 ZIPAIR Tokyo代表取締役社長の西田真吾氏は、中長距離路線に特化するLCCとして「長時間のフライトでも安全で快適な機内空間」をコンセプトにプロダクトを選定したと説明。中長距離LCCのビジネスモデルは世界的にも確立されていないが、「ゆくゆくは我々のモデルが正解だったとお客様にも同業他社にも認めてもらえるよう」取り組んでいくと意欲を語った。

 内装の特徴は、通常の「スタンダード」クラス272席に加えて「ZIPフルフラット」クラス18席を設置したこと。また、スタンダードでもシートピッチをFSC並みの31インチとするなど、目標とする太平洋路線の就航に向けて快適性にも配慮した。各クラスの仕様など機内の様子を写真で紹介する。

  • ZIPAIRのB787-8型機。JLの仕様と比較して約1.5倍となる290席を備えるが、個人用モニターを搭載しないなど軽量化に努め、機体重量は0.5トン軽くできたという

    B787-8外観

  • 尾翼にはコーポレートカラーのグレーを背景として大きく「Z」の文字を配置。機内は「シンプルでありながら上質感を感じさせる空間づくり」を心がけたという

    尾翼

  • 「ZIP Full-flat」クラスは1-2-1のコンフィギュレーションで18席を用意。全席から通路にアクセス可能だ

    「ZIP Full-flat」クラス

  • ビジネスクラスであればモニターがある場所にはメッシュ素材のシートポケット。シート自体は既製品を利用し、導入コストを引き下げた

    「ZIP Full-flat」シート

  • ヘッドレストの脇にも収納スペース。また電源とUSBポートと読書灯などのボタンも配置してある

    「ZIP Full-flat」収納スペース

  • リクライニング用ボタンと収納。シンプルなデザインが印象的。座席カバーは本革だ

    「ZIP Full-flat」コントロール類

  • フルフラットにした状態。安全ベルトは3点式だ。シートピッチは42インチ(107センチメートル)、座席幅は20インチ(51センチメートル)

    「ZIP Full-flat」フルフラット化

  • 中央2列の間には手動のパーティションも

    「ZIP Full-flat」パーティション

  • テーブルは折りたたみ式

    「ZIP Full-flat」テーブル

  • Standardクラスは3-3-3の配列で272席を設定した。モニターがないためシンプルな印象

    「Standard」

  • シートピッチをFSC並みの31インチ(79センチメートル)とし、座席幅も標準で17インチ(43センチメートル)として快適性を確保

    「Standard」クラス

  • テーブルの下には電源とシートポケットを配している

    「Standard」座席背面

  • 個人用モニターは備えていないが、旅客自身の端末を立てかけられるホルダーを設置。その下には折りたたみ式のテーブルが収納されている

    「Standard」タブレットホルダー

  • 背面のリクライニングと同時に座面も動く

    「Standard」リクライニング

  • Standardクラスのバルクヘッドスペース。座席カバーは黒の人工皮革を採用した

    「Standard」バルクヘッド

  • 機内のトイレは7ヶ所。前から2列目のトイレは2室を繋げることで車椅子にも対応可能に。また、前方3ヶ所のトイレには温水洗浄便座を設置している

    化粧室

  • ZIPAIR Tokyo代表取締役社長の西田真吾氏。中長距離LCCの成功例をめざす

    西田真吾社長

  • クルーのユニフォームもシートと同様に黒を基調としたデザイン

    キャビンクルー