羽田空港新国際線ターミナルが公開、機能性と「和」を強調

  • 2010年8月6日

 羽田空港の新国際線旅客ターミナルが8月2日に公開された。空港の機能としてシンプルな動線と機能性で旅客の利用のしやすさを追及する一方、日本が誇る伝統文化と現代文化を世界に発信する趣向を凝らした施設を備えた。商業施設は、一般エリアで計74店舗、保安エリアで計31店舗をそろえ、ターミナル全体としてユニバーサルデザインを推進する設備も充実させている。首都圏の24時間国際空港となる同空港の様子を10月21日の供用開始に先立ち、レポートする。


取材:山田紀子

  • 3階の出発ロビー。チェックインカウンターの手前中央に、共用の自動チェックイン機と案内所を設ける。モノレール、京浜急行の空港駅からのアプローチや、階下からのエスカレーター到着後にすぐ目に入り、わかりやすい

    出発ロビー

  • 案内所の案内スタッフは「コンシェルジュ」。コーポレートカラーの翡翠色を基調としたユニフォームがトレードマーク。日本語と英語のほか、必要時には中国語と韓国語でも対応

    コンシェルジュ

  • チェックインカウンターは4アイランド、計24ブース。旅行会社の団体用カウンターはチェックインカウンターの左右脇にある。共用の自動チェックイン機は最大40台配置。1階にも団体用チェックインカウンターと待合ロビーを用意する

    チェックインカウンター

  • チェックインカウンターのそばに保安検査場への入り口がある。保安検査場には国内空港で初めて旅客通過情報確認システムを導入した。その上には和の雰囲気を演出した商業施設が並ぶ

    保安検査場へ

  • 4階から5階は「Made In Japan~羽田 Only One」をコンセプトにした商業施設「E・DO MARKET PLACE」。4階は日本の伝統文化の演出で、江戸小路には和食店や和小物を販売する店舗が並ぶ。歌舞伎座を模した一角も

    江戸小路

  • 江戸舞台はイベントスペースにもなる。舞台や江戸小路の内装などは、宮大工によって作られた本格的なもの

    江戸舞台

  • 5階は「TOKYO POP TOWN」として、現代の日本文化を発信。このエリアにはサンリオや博品館などが入店し、キャラクターグッズやおもちゃを販売するほか、体験型施設としてスロットカーサーキットも設ける

    TOKYO POP TOWN

  • プラネタリウムを備えるのは空港として初めて。ターミナルを運営する東京国際空港ターミナルの担当者によると、日本製の投影機は世界でも高いシェアを誇るのだという

    プラネタリウム・カフェ

  • プラネタリウム・カフェでは4000万個の星を映す。これはお台場の日本科学未来館にあるプラネタリウム(約500万個)よりも多い

    プラネタリウム・カフェ

  • 出発コンコースには4つの総合免税店のほか、カルティエやブルガリなどの11のブランドショップも並ぶ。保安エリアには24の免税店と4つの飲食店、3つのサービス店がオープンする

    免税店

  • 航空会社のラウンジのほか、東京国際空港ターミナル運営のラウンジも用意。内部で2つに分かれ、こちらは外国航空会社など航空会社との契約を見込むラウンジ。もう一方はカード会社向け。シャワーのほか、深夜便の運航に対応して仮眠ブースも設置する

    ラウンジ

  • 固定スポットは全部で10スポット。106番から108番はマルチスポットとし、A320型機やB737型機クラスを1度に2機対応することが可能。また、107番はA380型機に対応するアッパーデッキ用PBB(搭乗橋)を設置した

    スポット

  • PBB(搭乗橋)は世界初となるステップレス。入り口から飛行機の搭乗扉までの段差をなくし、水平となっている。またガラス製のため、PBB内も明るい

    PBB

  • 到着エリアには国際線から国際線への乗継カウンターを4ブース設置。なお、空港内の案内板は日本語のほか英語、韓国語、中国語を併記している

    国際線乗継カウンター

  • ユニバーサルデザインにも取り組んでいる。一般向けトイレにも車椅子の利用者や荷物の多い利用者を考慮し、スペースを確保。扉も開き戸ではなく折り戸を利用

    一般トイレ

  • 補助ベッドを配し、オストメイト対応も可能な多機能トイレ。扉の開閉はフリーストップ式の手動の引き戸とし、軽い力で動かせるように工夫している。また、トイレの側には点字ボードのほかセンサーを設置し、音声での案内も流している

    多機能トイレ

  • 2つの授乳室と2つのベビーベッド、調乳専用浄水給湯器とシンクのあるベビールームも用意

    ベビールーム

  • 東京モノレールの「羽田空港国際線ビル駅」は、浜松町からのアクセスの場合、出発エリアの3階に直結。到着旅客向けに、2階にも改札コンコースを設ける

    東京モノレール駅

  • 京浜急行の「羽田空港国際線ターミナル駅」は地下駅だが、大型エレベーターを上りホームに3台、下りホームに4台、エスカレーターを各ホームに3基設置。ホーム幅員は約4メートルと余裕を持たせ、荷物用カートをホーム内でも利用可能とした

    京浜急行駅

  • タクシーや空港バス、ターミナル間の連絡バスは1階に到着。なお、東京国際空港ターミナルと日本空港ビルデングでは国際線と国内線の乗継客にモノレールと京浜急行の各ターミナル駅を利用できる無料乗車券も配布する

    1階エントランスプラザ