「世界一目指す」ANA、25年度入社の内定式実施 三苫薫選手もエール

  • 2024年10月3日

(写真中央)井上慎一社長と参加した内定者ら

 全日本空輸(NH)は1日、2025年度入社の内定式を東京ビッグサイトで開催した。同社への2025年新卒採用エントリー数は昨年比で約2割増加。今回の内定者は昨年から74人増の676名で、そのうち、グローバルスタッフ職は約180名、2024年度入社より新卒採用を再開した客室乗務職は約440名となっている。内定式の開催はコロナ禍以降では3年連続で、社員アスリートとして採用された陸上競技の眞々田洸大選手も参加した。

 同社からは全取締役が参加するとともに、ビデオメッセージにはプレミアリーグのブライトンに所属する三苫薫選手が登場。「新たな1歩を踏み出すことを恐れずに、共に支え合い夢に向かって挑戦し続けてください」とエールを送った。

井上社長から採用内定通知書を受け取る桑野和磨さん

 内定式後の会見では、内定者がそれぞれ抱負を発表した。グローバルスタッフ職の桑野和磨さんは「ANAにおける唯一無二の存在として、唯一無二の価値を提供できたら」と述べ、客室乗務職の清心美里さんは「想像力が豊かで、様々な方の思いに気付き行動できる客室乗務員になりたい」と語った。

抱負を語る内定者の皆さん

井上社長「世界一を目指す時」、若手社員のコミュニケーション能力に期待

 代表取締役社長の井上慎一氏は内定式で「社会人の第一歩として、ANAをお選びいただいたことを心より感謝いたします」と挨拶。集まった内定者らに対し「最初に伝えたいこと」として挙げたのは、安全運航を最優先とすること。「安全運航をなくして航空ビジネスは成り立たない」と述べ、同社としての価値観を共有した。

 また、コロナ禍は「業績が地を這うような大変厳しいものだった」と振り返ったが、そんな状況下でも同社は現地法人の帰国支援としてチャーターフライトや、ワクチン輸送事業を実施。昨年度はコロナ禍を脱却し過去最高益を更新した。「予測不能な時代と言われる現代において、成長の源泉は人・社員」と続けた同氏は、今後も処遇改善や「社員が挑戦しやすい環境」を整備していくと述べた。

井上慎一社長

 挨拶の最後には「海外の航空会社に憧れるのをやめて、世界に勝ちにいく」「いよいよ世界一を目指す時が来た」と述べた井上氏。会見では、そのために若手社員に期待することとして「海外との交渉力」を挙げ、「コミュニケーション力を磨いて、海外の航空会社と渡り合えるような社員になってほしい」と語っており、内定式の挨拶では「(世界一を目指す)このタイミングで皆さんは入社されるということをお伝えしたい」と期待感を示し、「来年度、今日と変わらぬ希望に満ちた表情の皆さんにお会いできることを楽しみにしています」と挨拶を締めくくった。