カナダの「今」を駐在員の視点から-入国時の陰性証明が不要に、国内旅行も本格化
カナダの現在の状況と観光主要地域の3月中旬現在の様子を、ご報告させて頂きます。
カナダの国境制限とワクチン接種率
2月28日に国際線到着空港の制限の撤廃が行われ、限定空港での離着陸のみ許可されていた頃よりも選択肢が増えました。4月1日よりカナダ入国時の必要書類とされている新型コロナ感染テストの陰性証明書提出が撤廃され、カナダの観光復活を促進すると期待されています。
ワクチン接種率は3月中旬現在、全人口あたりで1回でもワクチンを接種した人の割合が84.68%、ワクチン完全接種者の割合は81.02%、ブースター接種者の割合は46.45%です。
インフレとコロナ後の復活模様、旅行業への影響
カナダではガソリン価格は州により平均値の設定が異なります。また、同じ州でも都市部とそれ以外では1リットルあたり10セント単位、もしくはそれ以上の差が出ることが珍しくありません。このため、実際には地域差が存在しますが、参考までに下記にガソリンの国内平均推移を示します。
年月日 | 価格(1リットル当たり) | 時事 |
---|---|---|
22年3月23日 | 1ドル73セント | ウクライナ大統領日本演説 |
22年2月23日 | 1ドル54セント | ウクライナ侵攻開始(夜半) |
21年3月23日 | 1ドル21セント | 東京五輪海外観客受入断念 |
参照:CAAウェブサイト
これは欧米諸国の石油輸入が今までロシアに頼り切りだったこと、ウクライナ侵攻に関連する経済制裁の影響、市場の混乱による影響が少なくありません。
既にガソリン代高騰の動きは国内のバス代の見積もり、航空券の燃料サーチャージにも反映されてきています。レストランの食材の値上がりは、2021年ブリティッシュコロンビア州等カナダ西部の猛暑と水害、反ワクチンに関連するトラック運転手デモ、上記ガソリン高騰により現時点でも2022年は5%から10%上昇が見込まれています。更に特定原料および食材確保が困難を極めるため、レストラン、ホテル含め、食事・ホスピタリティサービス共に上昇が見込まれます。上昇幅も現状では予測がつきにくい状況です。
また、一部ホテルチェーンでは、コロナ禍に統合、増築、ブランドリニューアルなど客足が伸びない状況を利用して、イメージ刷新を図った会社も少なくないため、5月を過ぎた本格的な旅行シーズン再開に更にわかってくることが多いかと思います。
次ページ >>> ワクチンパスポート提出義務も順次撤廃へ