IT系に行った元社員が振り返る今週のニュース ー 思考停止の企業から逃げる若者
今週の宿屋大学の近藤氏の記事は、非常に同意する内容でした。私がIT業界に行きたくなった理由とも、大きく被る内容です。
これはそもそも宿泊業や観光産業だけでなく、多くの日本の企業でなのかもしれませんが、すぐに人手を増やすことで問題を解決しようとしますよね。もちろん、常に間違いじゃありませんが、はっきり言って思考停止です。100の仕事量があって一人あたりの仕事処理量が5で、スタッフが10人しかいないならスタッフを20人にするか、スタッフに残業させればいいみたいな考え方、心の底から嫌いです。近藤氏がおっしゃるように、仕事量を減したり、能力・モチベーションを上げるという解決方法があるでしょう。そしてその方法を考えるのが経営者やマネージャーの役割なのに、それを忘れてますよね。
今週三浦弁護士もおっしゃってましたが、この業界は良く言えば真面目すぎ、あえて悪く言えば頭が固く思考停止してます。もちろん、全ての企業がそうでないことはよく知っていますが、多くの企業がそうであることも残念ながら若手のキモチなどの取材でよくわかりました。
例えば、私が仕事をする上で最も憎むものの1つが「目的を明示していない会議」です。事前にアジェンダや資料とともにその目的が示されていれば、参加者が隙間時間にその資料を見ながら目的に合わせて考えてから会議に参加できるわけですから、会議で何人も集めてからいちいち状況説明をする時間を大幅に短縮できます(そもそも事前に資料を共有しない会議なんてのはただのおしゃべり会です)。
そうやって会議の時間を削ることは上席になればなるほど恩恵が大きいはずなのに、何故か絶対やらない人が多いんですよね。「全体の生産性を上げる」ってことのために資料を作りたくないんですかね。まあでも、色々な若手の方と話させて頂いた身からすると、そういう思考停止の企業文化が嫌で辞めたい若い人は、多分皆さんが想像するよりもずっと多いですよ。
ずいぶんと話が逸れてしまったついでに、もはや記事とも関係ありませんが株式会社トライシージャパンと旅行系インフルエンサーの一悶着、皆様御存知ですか? 私はトライシージャパンの代表の後藤氏のTwitterがかなり好きでよく見てるため、この悶着もリアルタイムで見ていたのですが、冷静に考えると観光産業従事者にとっては示唆に富む事案だなあと。
というのも、ステルスマーケティング、通称ステマは皆さんもご存知の通り違法になるケースが存在します(詳しい条件はそのうち編集部が三浦先生に解説を依頼することを期待しましょう)が、例えばホテルや観光地がインスタグラムやTwitter、TikTokなんかのインフルエンサーにマーケティングを依頼した時、依頼側が知らずにステマをされたらどうなるのか……違法性が問われるのか否かはわかりませんが、炎上でもした日にはイメージダウンは避けられないでしょう。もはや今のご時世デジタルマーケティングはB2C企業には避けられない施策の一つですが、GDPRやらステマやら、考えねばならぬことが多すぎますね……。