JATA、旅行業界として改めてコンプライアンス徹底、意識と行動の改革へ
日本旅行業協会(JATA)は1月27日の定例会見で、今後のコンプライアンスへの取り組みについて説明した。旅行会社による雇用調整助成金やGo Toトラベル給付金の不正受給が相次いだことから、観光庁は昨年12月28日に注意喚起の文書を発出。これを受け、JATAと全国旅行業協会(ANTA)は、行動規範や宣誓書などの基本形を示す「旅行業界におけるコンプライアンスへの取り組みの手引き」を共同で作成し、各々のホームページに掲載した。池畑孝治事務局長は、「旅行業界として改めてコンプライアンスを徹底していく」として、本手引きの活用に加え、「国土交通省公益通報制度」の周知、「経営者向けコンプライアンス研修」の実施、職員向け「コンプライアンス研修動画・試験」システムの提供に継続して取り組んでいく考えを示した。
JATAでは今月はじめに、全会員企業を対象にコンプライアンスへの対応状況に関するアンケート調査を実施した。調査の詳細は非公開だが、回収率は約85%で、営業中の会員企業からはほぼ回答を得られている状況だという。コンプライアンスへの対応が十分でないと答えた会員には手引きの活用を促していく。3月に実施する経営者向けコンプライアンス研修の後、各社が規範の策定を行う流れとなる。
なお、新たに報じられたトラベル・スタンダード・ジャパンのGo Toトラベル給付金不正受給疑惑について、JATAとして実態把握を行っているかとの質問については、観光庁及び委託を受けたGo Toトラベル事務局の担当部署が担っているとして回答を控えた。
このほか会見では、2月21日より配信が開始される「JATA経営フォーラム2022」についても発表された。昨年に続きオンラインでの開催だが、今年は旅行会社以外の観光産業関係者にも広く視聴してもらうことを目的として、指定URLより事前登録すればJATA会員以外でも視聴が可能となっている。参加費は無料。1セッション1時間程度で、旅行業の再生に向けた基調討論と、海外旅行、デジタル化、訪日旅行、中小旅行会社の取り組みなど7つのテーマセッションが予定されている。