日本のOTAは復調傾向か、今後の注目は「メタバース」-WiT JAPAN 2022

  • 2022年1月21日

 オンライン旅行業界の国際会議「WiT JAPAN & North Asia 2022」が1月14日・15日の2日間にわたり開催された。コロナの影響でイベントの開催は何度か延期されており、今回は2年ぶりの開催。東京都内の会場とオンラインのハイブリット形式で実施された。毎回恒例となっている日本のOTAが参加するパネルディスカッションでは、JTB、リクルート(じゃらん)、一休、楽天トラベルの代表が登壇し、昨年の旅行業界の振り返りと2022年の展望を語った。

【パネリスト】
JTB 執行役員ツーリズム事業本部 Web販売部長 Web戦略担当 盛崎宏行氏
リクルート ディビジョン・オフィサー 宮田道生氏
一休 執行役員第二宿泊事業本部長 巻幡隆之介氏
楽天 執行役員 コマースカンパニー ヴァイスプレジデント トラベル&モビリティ事業事業長 高野芳行氏(※高ははしご高)
【モデレーター】
ベンチャーリパブリック・トラベルjp代表 柴田啓氏(WiT JAPAN & North Asia共同創設者)

2021年は19年比で6~8割見込み、19年の50%並みに回復するのは「早ければ今夏」

パネルディスカッションの様子

 パネルディスカッションではまず、モデレーターでベンチャーリパブリック・トラベルjp代表の柴田啓氏が、各社の2021年の予約見込みについて、19年比、20年比でどのくらいまで回復したのかを質問した。これに対し、20年比についてはリクルートの宮田道生氏と楽天の高野芳行氏が「80%~100%」、JTBの盛崎宏行氏と一休の巻幡隆之介氏が「60%~80%」と語り、会社により若干状況が異なる結果となった。

 2019年比は4社とも「60%~80%」と回答。さらに、コロナのオミクロンの影響がまだ少なかった2021年12月に限って19年と比較した場合、宮田氏は「100~110%でほぼ戻ったのでは」、盛崎氏は「110~130%で上回った」とした。一方で高野氏は「80~100%」、巻幡氏は「60~80%」と話した。宿泊単価については宮田氏と高野氏が「80~100%」と若干減少した一方、盛崎氏と巻幡氏は「100~110%」だったという。

 海外旅行・インバウンドが19年の50%並みに回復するタイミングを予想する質問では、もっとも早い時期をあげたのは盛崎氏で「22年10月から12月、早ければ7月から9月もありうる」と予想。次いで宮田氏が「コロナが今年中に収束し、来年年始には戻りはじめてほしい」、巻幡氏が「来年の旧正月に戻ってほしい」と期待を示した。高野氏は「2年予測してきたけれどほぼ意味がなかった」と語った上で「わからないが、楽天ではシナリオを3、4本作り、状況に合わせて対応している」と説明した。

※訂正案内(編集部 2022年1月24日8時45分)
訂正箇所:モデレーター紹介、第2段落
ベンチャーリパブリックのブランド名を間違って表記しておりました。 お詫びして訂正いたします。