和田長官、新たなGo Toトラベル 現時点でプロセスに変更はなし
観光庁の和田浩一長官は12月15日に開催した業界紙向けの定例会見で、地域観光事業支援(県民割)のブロック単位への拡大や新たなGo Toトラベル事業の実施について、「オミクロン株については不明な点も多く、状況を注視していく必要がある」としたうえで、「現時点で11月に示したプロセスを変える予定はない」と述べ、当初の発表通り年末年始の感染状況を見極めて検討する方針を示した。県民割については、先月19日以降、条件付きで対象を隣県に拡大することが認められ、12月15日現在14県で実施されている。
HIS子会社によるGo Toトラベル事業での給付金の不正受給疑惑については、「事実であるとすれば非常に遺憾。観光庁としてもGo Toトラベル事務局に対し、改めて本件以外の事案も含めて調査を徹底するよう指示した。Go Toトラベル事務局、HIS双方の調査で判明した事実関係をもとに適切に対応していきたい」と述べた。また「事業は国民の理解が得られる形にしなければならない」として、調査結果を踏まえ必要に応じて制度の改定を検討する考えを示した。和田氏はワールド航空サービスによる雇用調整助成金の不正受給疑惑にも触れ、「いずれも税金を活用しているものだ。長期化するコロナの影響で観光産業が厳しい状況に立たされていることはよく分かるが、不正は決して許されるものではない」と強調した。
また和田氏は、観光産業は「非常に厳しい環境にあるがゆえに、構造的な課題が顕在化してきている」として、今後に向けて「まずは需要拡大の観点から、県民割の拡大や新たなGo Toトラベルの開始に加え、新たな国内交流市場を開拓していく。その1つがワーケーションであり、「第2のふるさとづくりプロジェクト」だ。そうした取り組みをしっかりと進めていく」と述べた。さらに、観光産業の生産性向上やデジタル化の推進、観光産業における新たなビジネスモデルの構築に向けた議論を進めていく考えを示した。