家族を大切にするメキシコのクリスマス、近年は国内旅行も増加ーカンクン・メキシコシティ現地レポート
カンクン
ジングルベル♪ジングルベル♪…の曲が街中で聞こえる12月。12月24日に近づくにつれ、人々の笑顔の数は多くなり、子供たちもその日が来るのを待ちわびる。今年はコロナ禍、ジングルベルも少し元気のない音色に聞こえますが、訪れる人が笑顔になれるカンクンからリゾートのクリスマスをお届けします。
クリスマスを色で表現すると、日本では「ホワイトクリスマス」など白色ですが、ここカンクンでは青色で表現されます。雨も少なく、海と空の青が一層輝いている季節なので、「ブルークリスマス」といったとところです。サンタクロースもカンクンに来るときはきっと水着を着ているのでしょう。
12月に入るとカンクンの各ホテルのロビーにはクリスマスツリーが飾り付けられ、クリスマスソングが流れ、クリスマス・スピリットでお客様をお迎えします。ホテルによってはホテルの建物自体をクリスマスツリーに仕立て上げていることも。プールサイドではサンタクロースに扮したアクティビティースタッフがゲームなどを行い、気分を盛り上げています。12月24日クリスマスイブの夜、ホテル内各レストランではクリスマス特別ディナーが準備され、オールインクルーシブホテルではクリスマスパーティーが行われます。朝から夜までクリスマスのイベントが行われ、宿泊客は1日中ホテル内で楽しむことができます。
カンクン市内は街のいたるところにクリスマスツリーが飾られており、最近はパン屋までもがサンタクロースを模したパンをつくり、目や舌でクリスマスを楽しませてくれます。12月24日当日は家族で教会のミサへ出かけ、家でターキーを食べ、家族団欒で過ごすのがメキシコ人家庭の一般的な過ごし方。パーティーで騒ぐのではなく、家族と一緒に家族愛や幸せを考える・・・キリスト教のイベントであることを認識させられます。クリスマスケーキ、クリスマスプレゼント交換だけではなく、クリスマスの本当の意味をここカンクンでも感じることができます。
家庭内ではイエス・キリスト生誕の様子を再現するオブジェが飾りつけられます。12月に入ると飾り付けが始まり、イエス・キリストの生誕までに小屋が作られます。しかし、ニーニョ・ディオス(神の子/イエス・キリスト)は飾られず、12月24日の夜にイエス・キリストが藁の上に横たえられます。1月6日には賢者3人が小屋に集まり、2月2日にイエス・キリストが立ったといわれる日まで大切にキリスト生誕の飾りつけが居間の中央に置かれています。
メキシコでのクリスマスは「家族」が集まり、家族皆が健康でいる幸せ、色んな困難も家族が思いやりを持ち、乗り越える力など「家族愛」を皆で確認しあう、そんな日なのです。コロナ禍中、家族というものの本当の意味を皆で考えているのではないでしょうか。パーティー好きで騒ぐことが生き甲斐のメキシコ人ですが、家族を大事にする一面を持った国民でもあるのです。