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スペイン、コロナ後に選ばれるデスティネーションに自信、衛生面とワクチン接種率の高さアピール

  • 2021年11月25日
トレド氏

 スペイン政府観光局はこのほど業界関係者を招き「ホルヘ・トレド駐日スペイン特命全権大使を囲む朝食会」を開催した。駐日スペイン特命全権大使のホルヘ・トレド氏はスペインの観光業はGDPの12.3%を占め、労働人口は14%にのぼり、2019年には世界から8000万人以上の観光客が訪れる観光をリードするデスティネーションのひとつと紹介。

 スペインは2015年以降、世界経済フォーラムで観光が魅力的な国として紹介されておりトレド氏は「歴史、自然、都市、芸術、食事などの魅力的な観光素材が年間8000万人の観光客を呼び込んでいる」とコメント。日本市場については2019年に68万6000名を記録しており、「さらなる成長の余地はあると考えており、以前と同じようなフライトなどの環境が整えば、100万人も期待したい」と意気込みを述べた。

 コロナ禍で世界からの観光客が70%減となり、観光業にとって危機的な状況になったが520億ユーロ以上の投資ををおこない、インフラや遺跡の修復、観光誘致、教育に利用され、さらにワクチン接種証明書により隔離なくEU域内での移動が可能になったことで2021年8月にはコロナ前の50%まで観光客が回復したという。

 ワクチン接種については、接種可能な人の接種率が90%に達しており「世界で最も安全な国」とアピール。さらに「衛生面はヨーロッパでも最善の措置を取っている」と述べ、ホテルなどの施設ではセーフツーリズムの認証も積極的におこなっている。

 またJTB総合研究所に調査を依頼したところ、海外旅行が再開されたら日本人が行きたいデスティネーションとしてイタリアと並びスペインが選ばれており、トレド氏は日本は重要な市場のひとつだとして「観光回復には(日本への)帰国後の隔離のさらなる緩和が必要」とリクエストした。

アレハンドレ氏

 駐日スペイン大使館観光参事官・スペイン政府観光局局長のハイメ・アレハンドレ氏からは2022年の活動について案内。旅行業界向けにはファムツアーの実施を予定しており、「入国方法のほか現在の現地のホテルや文化財を見ていただきたい」と述べ、マドリードのほかカナリア諸島やカタルーニャ地方を計画しているという。

 またスペインはアクセシブル・ツーリズムにも注力しており、例えばアビラは「ヨーロッパで最もアクセシブルな都市」として車いすでも移動ができるように整備されている。アレハンドレ氏は「ニッチな市場かもしれないが非常に重要で、ご家族も同行すると潜在的な需要は大きくスペインは安心して旅行していただける」と述べた。そのほかツーリズムEXPOジャパン2022の参加や、SNSの強化などをおこなっていく予定だ。

 アレハンドレ氏は最後に「2022年が喜び、幸せを感じる年となり、スペインが日本の皆さまにとって1番の国になるように願っています」と締めくくった。