日本マーケットに期待、アトゥーフランスが旅行会社に向け2年ぶりのリアルイベント
フランス観光開発機構(アトゥーフランス)はこのほど旅行会社に向けてセミナーを開催し、現在のフランスの状況や旅行に必要な手続きなどを紹介した。
挨拶に立ったアトゥーフランス在日代表 アジア・太平洋・中東地区統括責任者のフレデリック・マゼンク氏は、「リアルのイベントはほぼ2年ぶりで、皆さんにご参加いただけて嬉しい。これまでにも様々な困難を乗り越えてきたこのマーケットに非常に期待している。パートナー企業とともに色々なプロモーションを考えて実現していきたい」と述べた。需要についてはすぐに元通りにはならないが、来年復活を感じられる数字まで戻ればより強いプロモーションが行えるとして、2024年のパリ五輪も見据えた期待を示した。
プロモーションチーム・マネージャーの金田レイラ氏からは、はじめにフランスの新型コロナウイルスの状況が説明された。10月25日の新規感染者数は約5000人で、日本に比べると高い数値ではあるものの、ヨーロッパ内では比較的うまくコントロールできている状況だという。ワクチンに関しては2回接種を終えている人が約5000万人と、人口の74%に達している。各観光地ではマスクの着用、消毒ジェルの設置などの基本対策が行われ、施設によってはグループの人数や受け入れ時間に制限が設けられている場合がある。
フランスへの旅行にあたっては、出発前には2回のワクチン接種を終えた証明書(日本の自治体が発行するもので可)、もしくは72時間以内のPCR検査陰性証明書と、フランス内務省が発行する誓約書が求められる。フランス滞在中は、レストラン、観光地、電車、飛行機など、観光に関わる多くの施設でEUのワクチンパスポートの提示が義務付けられている。現在のところ期間は11月15日までだが、近日中に来年7月までの延長が発表される予定だという。帰国時は、厚生労働省が指定する誓約書と、72時間以内のPCR検査陰性証明書が必要となる。
金田氏は、特に出発前に申請が必要なEUのワクチンパスポートと、厚生労働省指定のフォーマットに対応する必要がある帰国時の陰性証明書の取得に手間がかかるとして、旅行会社のサポートを求めた。ワクチンパスポートについてはフランス外務省のウェブサイトから申請するが、申請から手元に届くまでの期間にばらつきがあるため、書類が揃い次第申請することを推奨。帰国時の陰性証明書については、基本的に検査と指定フォーマットへの記入で2度検査場に足を運ぶ必要があり、注意が必要だ。パリ市内に関しては、在パリ日本大使館のウェブサイトで厚労省のフォーマットに対応している検査場のリストが確認できる。