ツアー造成のメリットは?オンラインツアーの今とこれから【後編】
実際にオンラインツアーを作るなら
オンラインツアーの市場は未来がありそうだが、実際に造成を試してみようとなった時、どのような点に気をつけるべきなのか。Travel At Homeを運営される株式会社Torchの木村氏は、まず第一にガイドの質だという。例えば、海外のオンラインツアーをする場合、単純にリアルタイムで繋げばそれで良いというわけではない。Youtubeを見ているのと違いを出すため、参加者の質問などにも答えられる豊富な知識が要求される他、オンラインツアーでも「参加している感」を作り出せる技術が必要だ。
また、現在の人気なツアーはほとんどが海外で、それも多くは自力で行きにくい場所や、実際に現地にいる人とコミュニケーションを取らないとわからないようなレアな情報が手に入るものである。また、マニアックな層に刺さるオンラインツアーも強い。例えば、特定の漫画やアニメの聖地と呼ばれる場所のオンラインツアーだ。聖地も国内なら個人である程度容易に行けるが、海外だとそういうわけにはいかない。しかし、オンラインツアーならリアルタイムで、ガイドに頼めば作品と同じアングルの画を見ることができる。他にも、スイスの建築家とまわるツアーなども過去人気があったという。当然参加者は建設に興味がある人や建築家の方々となり、オンラインで会話しながら建築物について質問ができる。
国内で人気なツアーはやはり物販付きが多い。特にお酒関係は人気が出やすく、酒蔵の中を巡りながら杜氏の方に説明してもらいつつ、その酒蔵のお酒を飲むことができる。リアルツアーだと複数の酒蔵を巡ろうと思うとがついてまわるが、オンラインツアーならばその手間もなくすことができる。
他にも様々なポイントがあるが、オンラインツアーを造成する時にロコタビ浅井氏が参考にしてほしいというのが株式会社ノットワールドのオンラインツアーだ。よくある失敗のケースとして、伝えたいことが多すぎて情報を詰め込みすぎたり、参加者がいることを想定しきれていないツアーがあるが、ノットワールドのツアーはそういったことがなく非常に勉強になると浅井氏は言う。造成を考えられている方は是非一度参加してみて欲しい。
また、いきなり自社だけで造成するのはハードルが高いという場合、ロコタビではオンラインツアーの造成やzoomの手配などの委託を受け付けている他、株式会社Torchは自治体からのオンラインツアー造成相談も受け付けている。現在はWaTripやONTABIなど、販売チャネルも整ってきた。コロナがあけた後の需要に付随する旅マエを狙って、今こそオンラインツアーを始めてみるときかもしれない。