旅行会社や航空会社、JRなどと協力し「来てもらうための施策」を展開-静岡県観光協会 専務理事 望月宏明氏
富士箱根伊豆国立公園を筆頭に、温泉地の代名詞的存在の熱海温泉、徳川家康ゆかりの久能山東照宮をはじめとする史跡、浜名湖や日本平などの景勝地にも恵まれ、観光素材が豊富な静岡県。年間観光交流客数は1億5000万人を超えていただけにコロナ禍の影響度も大きい。静岡県観光協会の望月宏明専務理事に観光県の現状を聞いた。インタビューは6月2日に実施した。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)
-2020年度の観光交流客数と宿泊客数を教えてください。
望月宏明氏(以下敬称略) 県が毎年まとめる観光交流客数と宿泊客数については2020年度分を集計中で、発表は8月になる見通しです。代わりに観光庁がまとめている延べ宿泊者数と外国人延べ宿泊者数を申し上げると、2019年は延べ宿泊者数が2342万9440人泊、外国人延べ宿泊者数が249万3790人泊でした。2020年は速報値ですが、延べ宿泊者数が1345万4640人泊で前年の57.4%。外国人延べ宿泊者数は24万7490人泊と前年のわずか9.9%に留まりました。
-延べ宿泊者数が前年の約6割というのは、この状況下では落ち込みが小さい方だと感じますが。
望月 GoToトラベルキャンペーンの実施など国の施策効果もあって復活の兆しが見えた時期もあったからだと思います。
-今年の目標値についてはいかがですか。
望月 県全体の観光施策については、2018年度開始で2021年度を最終年度とする静岡県観光躍進基本計画があり、同計画では2021年度の目標として観光交流客数1億7000万人、宿泊客数2200万人泊を掲げましたが、4年前の設定なのでコロナ禍の影響を織り込んだ目標値ではありません。次期計画ではコロナ禍の影響を反映させた目標を立てますが、現在策定中の段階です。