itt TOKYO2024

【スイス現地レポート】2回目ロックダウン緩和中の現在の様子と、進化しているユングフラウ地方の最新情報

スイスの人気デスティネーション、ユングフラウ地方
「アイガー・エクスプレス」の開通で利便性が向上、楽しみ方も多様に

 現在、世界的に旅行が制限されている状況ではありますが、その間でもスイスの観光地は変化を遂げています。特に、日本人にも人気のアイガー、メンヒ、ユングフラウの3名山の麓に広がるユングフラウ地方。夏はハイキング、冬はウィンタースポーツを目的に世界中から多くの観光客で賑わう同地方では、昨年の12月5日に新路線「アイガー・エクスプレス」の運行が開始しました。これはグリンデルワルトに新しく開業したグリンデルワルト・ターミナル駅からアイガーグレッチャー駅までを結ぶロープウェイ。同区間を鉄道ではクライネシャイデックを経由し約50分かかるところ、アイガー・エクスプレスではわずか15分で登ることが可能になりました。アイガーグレッチャー駅からユングフランヨッホへは従来通り鉄道で。鉄道への乗り換えも非常に分かりやすくスムーズに行うことができ、ユングフラウヨッホへのアクセスが格段に向上したと言えます。

アイガーグレッチャー駅までわずか15分で結ぶアイガー・エクスプレス

全26席の全面ガラス張り。パノラマ景色を快適に楽しめる。

 4月初めのイースター休暇中は、未だ雪も残りスキーが楽しめることもあり、多くのスイス人やフランスやドイツからの観光客で賑わっていました。このアイガー・エクスプレスに乗れば、高速で一気に標高2320mのアイガーグレッチャー駅まで登れ、そこから直通のゲレンデで滑り始めることができるので、スキーヤーにとっても非常に利便性が増しています。

名峰を眺めながらのスキーは格別

 そして、この全面ガラス張りのロープウェイから見るこの地方の山々の景色が圧巻。特に、標高が高くなるに連れて現れるアイガー北壁を間近で見ることができ、これまた特別な体験です。移動手段としてだけではなく、この景色を見るためだけにでも乗る価値が十分にあります。時間に余裕のない人はアイガー・エクスプレスに往復乗車し気軽にユングフラウヨッホへ。じっくり楽しみたい人は、行きはアイガー・エクスプレスで、そして帰りは鉄道と組み合わせることで様々な山の表情や多様な景色を見ることができおすすめです。

アイガーの北壁が間近に見え、迫力あり

 新駅「グリンデルワルト・ターミナル」はインターラーケン・オスト駅から向かうと、「グリンデルワルト」駅の一つ前の駅になります。地下は大規模駐車場と鉄道駅、地上階にアイガー・エクスプレスとメンリヘンを結ぶもう一つのロープウェイの発着地点、そしてスーパーやショップ、飲食店なども入っています。駅内には大規模なスキー用のロッカールームが2つあり、合計500ものロッカーが設置されているいます。このロッカーを活用することで、地方の各村に滞在していてもスキーを置いて身軽に行き来できるのはスキーヤーにとっては本当にありがたいこと。観光が目的の場合も、手荷物を預けることができるロッカーも充実しているので、それらを利用して身軽にユングフラウヨッホや山々のハイキンングに出かることも可能です。将来的にこの駅が、年間通してこの地方の中心的な役割を果たす駅になることでしょう。

モダンな外観が特徴的な新駅グリンデルワルト・ターミナル

※アイガー・エクスプレス、そして4月はじめのユングフラウ地方の様子はまた追って詳しく「フォトニュース」にて掲載する予定です。

取材協力:ユングフラウ鉄道グループ、スイス政府観光局