【仕事を変える・番外編】アーユルヴェーダサロン開店、旅行業界への「恩返し」も-Sri Ayush 比留間絢子氏
観光産業内で新たに起業した人、業界の経験を武器に異業種に挑戦する人などを紹介してきた当企画。今年1月、2020年9月に取材した比留間絢子氏から、無事に開業したから是非一度来店してほしいとの連絡が編集部に届いた。旅行会社、航空会社勤務からアーユルヴェーダセラピストとして独立する道を選び、「業界へ恩返ししたい」と話していた比留間氏の現在を追った。
アーユルヴェーダ体験
記者は休日に予約を取り、朝11時に比留間氏のサロン、Sri Ayushへ向かった。カウンセリングも含め施術には4時間ほどかかる。ほぐした身体が帰宅中に冷えないようにという配慮から、Sri Ayushでは日中早めの時間からの予約を推奨し、施術も1日2名まで(コロナの影響で現在は1日1名まで)としている。
自宅を改装したサロンは、そこここにスリランカゆかりのグッズが飾られ、旅行好きな友人の家に招かれたようなくつろげる雰囲気だ。はじめにハーブティーをいただきつつ問診を受ける。仕事やライフスタイルの状況、体調、睡眠についてなど、じっくりと今の身体の状態を共有した上でトリートメントに使うオイルを選び、施術へと移る。
まずは足湯。目にも鮮やかなバスソルトはそれだけで気分が上がる。じんわりと温まったところで施術台へ。温めたオイルを垂らし、全身をほぐしていく。オイルトリートメントというとソフトなイメージがあったが、比留間氏のマッサージはかなり圧が強い。痛いマッサージが好きな方にも自信を持ってお薦めする。
今回はオプションでカッピングも付けてもらった。術後のカウンセリングのため肌に現れた反応を写真に撮り、サウナへ。といっても移動の必要はなく、施術台の上にドームサウナを被せていくため、客はただ寝ていれば良い。30分でドームの外に出ていた顔まで大量の汗をかいた。スチームタオルで汗を拭って施術は終了だ。
着替えをすませ、再びお茶をいただきながらカウンセリングを受ける。カッピングの結果も資料とともに丁寧に解説してもらった。比留間氏は、自身はあくまでセラピストであり、悪い部分を治せるわけでも診断ができるわけでもないという。表に現れている症状が似通っていても人により原因は異なるため、きちんとした判断は医者に診てもらいたいと話す。ただし、比留間氏にはスリランカのアーユルヴェーダドクターと接点があるため、事前に顧客から書かれたカウンセリング・フォームによっては必要に応じてアーユルヴェーダドクターに相談し、アドバイスをもらうこともある。
旅行業界とのコラボレーション
前回のインタビューで日本とスリランカの架け橋となり、旅行業界に恩返しをしたいと話していた比留間氏。現在はサロンの運営と並行して、観光客が減ったことで収入がなくなっている現地の人々の仕事に繋がるようにと、スリランカの現地ガイドと連携し、インターネットでは手に入らない現地の品物を買い付ける「大人買いツアー」などを企画しているという。
また、スリランカでは今年1月21日より旅行者の受け入れを再開していることを受け、駐日スリランカ大使館の協力を得て、日本の旅行会社に向けたセミナーも計画している。スリランカの食文化を体現するカレーを食べながら、スリランカの文化や日本との関わり、現在の状況などを知ってもらうものだ。
有言実行、インタビュー時の言葉通り1月にサロンを開き、旅行業界への働きかけも始めている比留間氏。サロンを出た時には、身体が軽くなっただけでなく、気持ちも前向きになったように感じられた。
※スリランカセミナーの詳細はイベント・セミナーページに掲載しています。