ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ代表取締役社長 井上理氏
当社はフルサービス型から宿泊主体型まで、現在、国内51カ所、海外1カ所のホテルを運営しております。保有ブランドの多様さと、本社集約型の独自の運営モデルを特徴とし、高付加価値のホテル創りをモットーに、コロナ禍であってもホテルの価値を最大限に上昇させることを目的に、1軒1軒、妥協せずにホテル運営に取り組んで参りました。
コロナウィルスの世界的流行という未曽有の危機では、そのマイナスの影響のみがクローズアップされることが多々ありますが、一方でこの事態に遭遇することで埋もれていた構造的問題点が露呈したことは、改善できる機会を得られたという意味においては、大変有意義であったと思います。そして、それに対する改善策に取り組み、将来の成長の糧にするよう努力することが2021年を通して何より重要であると捉えております。より具体的には、「ホテル品質の向上」、「利益構造の見直し」、「新規収益機会の獲得」という3つのテーマで、コロナウィルスの脅威がいつ収束するかわからない中、今までと同様、悲観的に準備し、楽観的に行動することで難局に挑戦し続けてまいります。
また、自社のみならず業界全体に対しても当社にできることを考え、積極的に取り組む所存です。当社は宿泊需要を喚起するために最も重要なのは地域経済にあると考えています。その地域経済の活性化を目指し、街をサポートするために立ち上げた「事業再生支援チーム」に関しては、引き続き積極的に活動いたします。街の歴史や文化、魅力をホテルの個性として取り込み、街とホテルが連動して人の流れを生み出すことで、地域経済に寄与するよう努めます。さらに、宿泊者・旅行者の顧客体験価値を向上させるシステム開発にも参画いたします。感染対策をゴールにするのではなく、ホテルと宿泊者の新たな関わり方を模索し、宿泊体験、旅行体験を豊かにする仕組み創りを進めるべく、計画しております。
最後に、2020年コロナウィルスの世界的大流行という誰も想像していなかった事象に遭遇し、当社も大きな損害を受けることになりました。需要の蒸発という前代未聞の状況を今まで耐え抜くことが出来たのは一重に関係各所の方々のご理解とご協力によるところであり、心より感謝申し上げます。世界中が難局に直面している今だからこそ、これまでの慣習や固定概念に囚われず、自社のみでなく、ビジネスパートナーや宿泊業界、地域経済に貢献出来る会社で在りたいと強く願い、行動してまいります。