オーストラリア、「新型コロナウイルス」に関する最新情報
オーストラリアにおける新型コロナウイルス(COVID-19)に起因する、旅行者が知っておくべき行動制限、観光施設、飲食店、商店のオープンなどの最新情報をお知らせいたします。
■ 海外留学生の受け入れパイロット・プログラムの実施
連邦政府は、一時的に国外に出ていた留学生のオーストラリアへの帰国の許可「パイロット・プログラム」を実施することを決定しました。
実施されるのは南オーストラリア州のアデレードとなり、2020年9月初めに約300名の選抜された留学生がシンガポールよりアデレードへ入国する計画です。
到着する学生は2週間の強制隔離の対象となり、1日目と12日目にコロナウィルスの検査が実施されます。なお、強制隔離の費用は、留学先の大学が負担します。
今回のパイロット・プログラムに選抜される留学生の出身国は明らかにされておりません。
■ オーストラリア各州で実施されている州境制限
* ニューサウスウェールズ州(シドニーなど)
州境閉鎖を行っておりませんでしたが、7月07日の23:59よりビクトリア州との国境閉鎖を実施しております。
* ビクトリア州(メルボルンなど)
州境閉鎖を行っていませんでした。
* オーストラリア首都特別地域(キャンベラ)
州境閉鎖を行っていませんでした。
* クイーンズランド州(ゴールドコースト、ケアンズなど)
7月10日に再開いたしました。(ビクトリア州を除く)
ニューサウスウェールズ州のキャンベルタウン、リバプールをホットスポット(新規感染者多発地域)に指定しました。
また、8月08日の深夜1時より、ホットスポットをニューサウスウェールズ州全体へ拡大、さらにオーストラリア首都特別地域を追加指定いたしました。
ホットスポットに過去14日以内に滞在した人は、クイーンズランド州に入境できません。
* 南オーストラリア州(アデレードなど)
6月17日より西オーストラリア州、ノーザンテリトリー準州、タスマニア州、クイーンズランド州から入境を許可。
その他の州は当初7月20日に再開予定も、ビクトリア州の感染拡大を受け撤回。
よって、ニューサウスウェールズ州、オーストラリア首都特別地域の再開は未定。
* 西オーストラリア州(パースなど)
具体的な発表無し。
* タスマニア州(ホバートなど)
8月07日より予定しておりました南オーストラリア州、西オーストラリア州、ノーザンテリトリー準州との州境の再開、及び14日間の自己隔離免除は、8月31日に延期となりました。
一方、ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州、オーストラリア首都特別地域からは強制隔離を継続中です。またニューサウスウェールズ州の感染多発地帯、ビクトリア州からは原則入州不可となっています。
なお、タスマニア州への入州には、事前のオンライン申請(G2G Pass)が必要です。
* ノーザンテリトリー準州(エアーズロック、ダーウィンなど)
7月17日に再開いたしました。但し事前にオンラインによる入境申請が必要です。
また過去14日以内にビクトリア州、シドニー大都市圏(Greater Metropolitan Sydney)への滞在歴がある場合は、入州後14日間の政府監視下の強制隔離となります。
★ 本情報の注意事項
* オーストラリアでは連邦政府が国境に関する規制、及びオーストラリア国内の大枠の制限を決め、各州政府が更に細かい制限を決定します。
* オーストラリア連邦政府と各州の政府とで同じ事柄に対して異なる制限がある場合、州政府の決めた制限が優先されます。
■ オーストラリア国内感染者数
8月16日時点のオーストラリア国内の新型コロナウイルスの感染者数、及び死者数は以下の通りです。
* オーストラリア全土感染者数: 23,993名
(ACT=113、NSW=3,966、NT=33、QLD=1,092、SA=462、TAS=230、VIC=17,446、WA=651)
* オーストラリア全土死者数: 450
名
※オーストラリア政府保険局 コロナウィルスの現況と症例者数
https://www.health.gov.au/news/health-alerts/novel-coronavirus-2019-ncov-health-alert/coronavirus-covid-19-current-situation-and-case-numbers
■ オーストラリア出入国制限、緩和・解除の見通し
オーストラリアの新型コロナウイルスによる、オーストラリアへの入国、及び出国の制限は以下の通りです。
* 3月20日 21:00以降、オーストラリアへの渡航者の全ての入国が禁止。
(オーストラリア市民および永住者を除く)
* オーストラリア市民および永住者は、到着日から14日間は強制検疫施設に隔離される。
* すべてのオーストラリア市民および永住者は、免除が認められない限り、オーストラリアの出国を禁止。
* ニュージーランド、南太平洋の国、少数の留学生の出入国許可は、9~12月になるのではと予想されています。
* 日本などその他の国・地域に関してはまだ具体的になっておりません。
■ 海外留学生の受け入れ「パイロット・プログラム」の実施
連邦政府は一時的に国外に出ていた留学生のオーストラリア帰国の許可「パイロット・プログラム」を実施することを決定しました。
* 9月初めに約300名の選抜された留学生がシンガポールよりアデレードへ入国
* 到着する学生は2週間の強制隔離の対象となり、1日目と12日目にコロナウィルスの検査を実施
* 強制隔離の費用は、留学先の大学が負担
* 今回のパイロット・プログラムに選抜される留学生の出身国は明らかにされていない
■ 7月23日のオーストラリア政府財務省の発表
* 7月23日にオーストラリア政府財務省の発表した連邦予算見通しでは、コロナウイルスによって引き起こされた国境制限を2021年1月から「段階的に」解除すると仮定しました。
* 2021年1月にオーストラリア国境を開きますが、2021年6月30日まで14日間の隔離措置は続くと財務省は想定しています。
* これは実質的に海外からの短期の観光客がオーストラリア旅行をできるのは、2021年7月以降になることを意味します。
* コロナウイルスに関する環境は非常に流動的であるため、これはあくまで財務省による予算見通しのための仮定であり、その開始日について政策決定は行われていないとのことです。
■ 規制解除へのロードマップ
5月8日の国家内閣の結果を受けて、モリソン首相は新型コロナウイルスに対する安全で持続可能なオーストラリアの経済を7月に実現するとの目標に向けて、これまでの制限措置を3段階で緩和していく「新型コロナウイルスに対する安全な豪州のためのロードマップ」を発表しました。
これら制限措置の緩和は、各州・準州政府が各地の状況を踏まえながら今後具体的に決定します。
国家内閣は、この制限措置の緩和を3週間ごとに見直すこととしています。
主な内容は以下のとおりです。いずれの段階においても新たな生活様式として、
・1.5メートルの物理的距離を取ること
・適切な衛生管理(体調不良の場合の自宅待機や感染検査を含む)
・COVIDSafeアプリの利用
が成功の鍵を握るとされ、その遵守が求められています。
※各州により独自に策定した規制緩和を実施しており、各州による相違が大きくなってきています。
各州の規制内容に関しては、それぞれの都市・州の規制情報を参照ください。
◎ ステップ1
・5人までの自宅への来客
・職場以外の公共の場での10人までの集会
・在宅勤務の推奨
・ラッシュ時の公共交通機関利用の抑制
・レストラン、カフェ、一般商店、図書館、コミュニティ・センター、プレイグラウンド、ブート・キャンプの再開
・近郊の旅行
◎ ステップ2
・自宅及び職場以外の公共の場での20人までの集会
・在宅勤務の推奨
・ラッシュ時の公共交通機関利用の抑制
・ジム、美容サロン、映画館、美術館、アミューズメント・パーク、キャラバン・パーク、キャンプ場の再開(いずれも20人まで)
・一部の州外への旅行
◎ ステップ3
屋内集会に関しては、上限100人までの予定が廃案になり、代わって従来通り「1人あたり4平米確保」の規制となります。入場者の上限は各施設の面積で割り出され、収容人員4万人以下の施設・スタジアムでは、座席を指定した上で1万人までの入場が出来るようになります。
但し、1.5mのソーシャルディスタンスの制限が適用されることとなります。
収容人員4万人を超える施設・スタジアムに関しては、ステップ3以降に解禁計画が進められると発表されております。(ステップ3での対応は不可)
■ オーストラリアにおけるマスク事情
米国、ヨーロッパの各国でも新型コロナウィルスの感染防止にマスク着用の推奨が行われ、多くの国では外出時のマスク着用の義務化も行われてきています。
オーストラリア連邦政府保健局が新型コロナウィルスの感染予防策として、社会的距離の確保、頻繁な手洗いの実施、消毒液の使用などを推奨し、マスク着用は推奨していなかったこともあり、オーストラリアではマスクを着用している人はほとんど見られませんでした。
8月02日より感染が急拡大しているビクトリア州・メルボルンでは、州内全域でマスクの着用を義務付けが実施され、オーストラリアにおいても徐々にマスク着用に対する事情も変わってきています。
隣接するニューサウスウェールズ州のシドニーでも公共交通機関やスーパーマーケット等でのマスク着用の推奨が州政府より発表され、シドニー近郊でもクラスター発生が続いていることもあり、マスクの着用者が8月になってから増え始めております。
それでもシドニー市内では、バスや電車などの車内でもマスク着用者は30~40%程度とかなり増加いたしましたが、屋外では人が多い場所でも10~20%程度にとどまっております。
他の地域、及び他州では新規感染者数がゼロ、または1~2名が続き、感染が拡大していないこともあり、マスクを着用している人を見ること自体が稀です。
オーストラリアでは新型コロナウィルスの対策として、マスク着用が進まない理由として考えられるのは以下の通りです。
1) マスクを付ける習慣がない
米国、ヨーロッパ諸国と同じように、オーストラリアでは病人でない限り、マスクを付けるという習慣はありません。
2) 連邦政府保健局からコロナ対策として推奨されていなかった
連邦政府保健局の新型コロナウイルスの推奨防止策として、頻繁な手洗い、消毒液(サニタイザー)の使用、社会的距離の確保などが推奨されておりますが、マスクの日常的な着用は推奨されていませんでした。
これまではマスク着用はコロナウイルス感染症予防に大きな役割は果たさないという見解でしたが、7月31日に保健局の副医務官より「コロナウイルス感染拡大を抑制するため、オーストラリア国民全員がマスクの着用を検討すべき」との発表がありました。
今後、オーストラリアでもマスク着用がスタンダードになって行く可能性があります。
→参考: オーストラリア政府保険局
https://www.health.gov.au/news/health-alerts/novel-coronavirus-2019-ncov-health-alert/how-to-protect-yourself-and-others-from-coronavirus-covid-19
3) 一般用マスクを売っていない。売っていても高い
大手のドラッグストアでは、一般用の使い捨てマスクが売られているのを目にする機会はほとんどありません。オーストラリアで販売されているマスクは、一部のドラッグストアで1枚5AUドル(約380円)の主に医療従事者が利用する高機能マスク、またはハードウェアショップ(金物屋)で売られている粉塵対策の工事用マスクに限られています。
4月頃よりアジア系のスーパー、普段マスクを売っていないような商店で、日本で一時出回った「ナゾノマスク」のようなマスクが、シドニー、メルボルンなどのアジア系住民の多い大都市では手に入るようになりましたが、その価格は1枚1.5~2AUドル(110円~150円)と高価であることから、気軽に使い捨てできません。
4) 国内での感染リスクは少ないと考える人が多い(メルボルン、シドニーを除く)
メルボルン、シドニーでは感染リスクが高くなってきていると考える人が増えてきています。
その他の州、地域では、新規の感染者がゼロ、または1桁が続いているため、感染リスクが高いと考える人は多くありません。
5) マスク無しでコロナ封じ込めに成功している(メルボルン、シドニーを除く)
オーストラリアでは全国的にほぼ感染の封じ込めに成功したように見えていましたが、6月中旬に発生したビクトリア州のメルボルン及び周辺地域の感染拡大は、8月現在も続いています。
現時点では大規模感染拡大が続いているのはメルボルン及び近郊のみで、ビクトリア州の他の地域、及び他州では大規模な感染は発生しておりません。
■ COVIDSafeアプリ
4月26日、オーストラリア連邦首相府及び保健省より、コロナウイルス感染者との濃厚接触歴を記録する機能を持ったスマートフォン用アプリ「COVIDSafe」の立ち上げが発表される。
このアプリのインストールは強制ではありません。
このアプリでは感染者との濃厚接触が判明した場合、アプリ利用者に対し、保険当局を通じ連絡が入る仕組みです。
5月8日の段階で540万ダウンロードを記録、これは14歳以上のスマートフォン保有者の29%に相当します。
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〔7月22日追記〕
このアプリが6月からのビクトリア州・メルボルン及び周辺地域における感染再拡大、及びニューサウスウェールズ州のシドニー郊外のクラスター発生時に、全く機能していなかったことが報道されました。
また、このアプリが現政権与党の進歩党に関連するソフト会社によって開発され、このアプリの広告に6,400万ドル(約50億円)かけれたこともあわせて報道されています。
7月現在のアプリダウンロード数は約660万、人口比率で約26%とあまり伸びておりません。
また、COVIDSafeアプリの追跡結果がゼロのために「数千万ドル」のコストがかかった可能性があると報じられています。
★ 注
現在、外務省より不要不急の渡航を自粛するよう注意喚起が発出されております。
また、世界各地で新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、国境閉鎖や入国制限措置、外出禁止令等の行動制限措置のほか、航空便の突然の減便又は運航停止などの事例も発生しております。
渡航をご予定の際は、日本国外務省や相手国の政府機関、またご利用予定の航空会社等に最新情報をご確認ください。
日本海外ツアーオペレーター協会 事務局