【コロナに負けず】カタール航空太平洋地区副社長のスクルービー氏

COVID-19拡大も攻めの運航、RPK世界1位に
日本は成田線を従来通り継続、帰国者を支援

 カタール航空(QR)は今年の6月、新たな太平洋地区副社長として元アメリカン航空(AA)日本・韓国地区コマーシャル・ディレクターのトーマス・スクルービー氏を任命した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界的な拡大を続けるなかの就任となったが、日本市場を良く知るスクルービー氏は今後、QRのアジア太平洋におけるビジネスをどのように進めるのか。また、ウィズコロナ・ポストコロナ時代の航空ビジネスをどのように見通しているのか。書面インタビューで話を聞いた。

-ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)やラタム航空(LA)、AAなどを経てQR入りされましたが、まずは就任に際しての抱負をお願いします

トーマス・スクルービー氏(以下敬称略) QRの太平洋地区を指揮する立場となったことを大変光栄に思う。20年以上に渡り航空業界で働いてきたが、QRの質の高いプロダクトや、安全と快適性を第一に考えたお客様目線の機内サ-ビスには、常に感心していた。

 また、このような状況でも定期便の運航継続やチャーター便の運航で、お客様や旅行会社を支援し続けている姿勢にも刺激を受けた。COVID-19により海外に取り残され、帰国を希望していても入国制限や検疫強化などにより実現できない方々を最大限にサポートしており、信頼をより確固たるものにしている。私もお客様の安全な帰国を使命とし、チーム一丸で難局を乗り切り、QRのさらなる成長をめざしたいと考えている。

-COVID-19がQRに与えている影響について教えてください

スクルービー すでに幾つかの航空会社が経営破綻に追い込まれるなど、業界全体に深刻な影響が及んでいるが、QRはCOVID-19の拡大初期から現在に至るまで、必要不可欠な運航便の維持に努めてきた。日本路線においては成田/ドーハ線の運航を従来通り継続し、世界全体では感染拡大のピーク時でも30都市に週150便を運航した。一部の方面はむしろ増強しており、オーストラリアについては帰国希望者のために4万8000席を追加したほか、5月と6月には期間限定のドーハ/ブリスベン、パース線も運航した。

 そのほか貨物便についても難しい状況のなかで、B777F型機2000機分に上る20万トンの医療用品や支援物資を輸送してきた。