ノーザンテリトリー、登らないウルルの10の魅力紹介、星空など体験も
豪州のノーザンテリトリーを代表する観光素材であるウルル(エアーズロック)が昨年10月から完全に登山禁止となったことで、登らずに楽しむウルルの魅力を消費者に紹介していくことが旅行業界の共通課題となっている。そうした状況のもと、ノーザンテリトリー政府観光局は3月10日、都内で旅行会社向けのセミナーを開催。登らなくても楽しめる「ウルルでしたい10のこと」を中心に、ノーザンテリトリーの最新情報を紹介した。
「ウルルでしたい10のこと」として観光局が真っ先に勧めるのは、「ウルル周辺のウォーキング」と「星空解説」。周辺ウォーキングでは途中、岩肌に触れられる場所もあることからウルルを体感するのに最適な方法であると紹介。星空解説に関しては、昨年11月から日本語ガイドと専門家による写真撮影付きの現地ツアー「ウルルナイトスカイツアー」が催行されており、「世界で最も美しいとも言われるウルルの星空をたっぷり楽しめる」(ノーザンテリトリー政府観光局旅行会社担当・福田直美氏)と説明した。
またウルルをバックにした平原に約5万個の電球が輝く光の祭典「フィールド・オブ・ライト」を観賞する日本語ガイド付き現地ツアー「ウルルサンライズとフィールド・オブ・ライト」も昨年11月から催行されており、従来からあった夜のツアーと合わせて、朝・晩とも光の祭典を堪能できることが強調された。
さらに、ウルル周辺観光は徒歩以外にもセグウェイや自転車、キャメルライドなど様々な方法があることや、アボリジニの芸術であるドットアートペインティング体験、そしてブッシュフード体験も魅力的な観光素材であることが紹介された。このほか、ウルルと同様に絶景を見ることができる周辺観光スポットとして、映画「世界の中心で愛を叫ぶ」のロケ地となったキングスキャニオンや、「風の谷のナウシカ」にインスピレーションを与えたともいわれるカタ・ジュタでのハイキングも「ウルルでしたい10のこと」に加えた。
また、セミナーでは本誌の松本裕一編集長も登壇し、「登らないウルルの魅力を説明して手間をかけて売るより、他の売れるものを売る会社があっても仕方ない。しかし指名買いはますますネットに流れていく。プロの力でお客様に魅力を紹介し、勧めて売ってくれる旅行会社はサプライヤーにも頼りにされるはず」と分析。そして、特に間近で体感したウルルの迫力は忘れがたいものがあると話し、ウルルの持つ存在感や星空などを「感じる」ことに可能性があると提案した。
セミナーではこのほか、カンタス航空(QF)がプレゼンテーションを実施したほか、ウルルへの観光拠点となっているエアーズロックリゾートが旅行業界関係者を対象としたスペシャルレートを発表。4月1日から7月31日までの期間限定で、宿泊2泊と送迎、ウルル及びカタ・ジュタ観光などを含むパッケージを市価の約半額となる560豪ドルから利用できるもので、ポスト登山のウルルの魅力を体験する機会を提供する考えだ。