仏オーヴェルニュ・ローヌ・アルプ地方、23年までに日本人5割増へ

  • 2020年2月20日

まずはリヨンから美食や自然を提案
宿泊増に向け多様な魅力アピール

ミッションのメンバー。ヴォキエ氏は右から3人目、フラッスール氏は右から2番目 フランスのオーヴェルニュ・ローヌ・アルプ地方観光局から局長のリオネル・フラッスール氏がこのほど来日し、2023年までに同地方に宿泊する日本人旅行者の数を5割増やしたい考えを語った。観光局はオーヴェルニュ・ローヌ・アルプ地方の基幹産業の一つである山岳ツーリズムを推進する役割を担うが、日本市場ではまずリヨンを中心に美食やワイン、自然などのテーマでプロモーションを展開。現在同地方に宿泊する日本人旅行者の数は約10万人だが、これを2023年までに約15万人にまで増加させたい考えだ。

 フラッスール氏は、オーヴェルニュ・ローヌ・アルプ地域圏議会議長のローラン・ヴォキエ氏を中心とする同地域圏経済ミッションとともに来日。フランス中南部に位置するこの地域はオーヴェルニュ地方の中央高地やアルプス山脈を擁する山岳地域で、シャモニー・モンブランオリンピックやグルノーブルオリンピックの開催地となったこともある。

 ヴォキエ氏は「オリンピック開催を機に、ウィンタースポーツ、ウィンターリゾートの先駆けとなった地域」であることを紹介し、そのうえで「山」を地域の重要な資源として捉え、スキー場の再開発を含めた山岳リゾートの展開や町おこし、それらに付随するスパや食文化の発展をめざしていく方針を語った。

 そしてフラスール氏は、観光プロモーションの5つのテーマとして「山岳」、「食やワインなどフランスの伝統的ライフスタイル」、「サイクリングやウォーキング」、「自然」、「スパや温泉」を列挙し、「あらゆるセグメントのニーズに応えていける素材がある」と多様性をアピールした。

 また、地域圏のゲートウェイの一つであるリヨンについては、古代ローマ時代からの歴史を有し、ミシュランの星付きレストランのシェフであったポール・ボキューズに象徴される「美食都市」であることを紹介。そして「パリの小型版といえるような濃厚な歴史や、食、ワインといった多様な魅力があり、また街の規模はコンパクトで歩きやすい。まずはリヨンの認知度をさらに高め、そこから山と都市、山と田舎、山と湖、といったコンビネーションの楽しみといった形で、山岳ツーリズムへの展開に繋げていければ」と話している。

 旅行会社に対しては「パリだけがフランスではない。地方を訪れ“フランス”の良さや多様性を知っていただきたい」と語る。またイタリアやスイスから日帰りでモンブランなど国境付近の地域を訪れるツアーも多いなか、「宿泊客の獲得につなげたい。ムジェーヴといった上質なリゾート地もあるので、時間をかけてフランスの生活に触れるような旅をぜひ造成していただきたい」と訴えた。