タイ、スポーツツーリズムでキャンペーン、TAT60周年で「お弁当」注目も
タイ国政府観光庁(TAT)は2月10日、TATの60周年を記念して、スポーツを主軸としたさまざまな観光プランを用意したキャンペーン「タイ国スポーツツーリズム アメージングな365日」の通年実施を発表した。
本国より来日したタイ国観光スポーツ省副大臣ナッピントーン・シーサンパーン氏のウェルカムスピーチに続き、駐日タイ王国特命全権大使シントン・ラーピセートパン氏は、2019年にタイから日本へ130万人、日本からタイへ180万人が訪れていると語り、双方向の交流が拡大していると指摘。そのうえで、タイを訪れる日本人旅行者には、寺院や買物だけでなくスポーツを通して「こんなタイ知らなかった」というキャッチフレーズを実感してほしいと述べた。2020年5月9日と10日に代々木公園で開催されるタイフェスティバルでも心と身体の健康に重きを置くという。
「タイ国スポーツツーリズム アメージングな365日」で主軸となるスポーツは、ゴルフ、ムエタイ、ダイビング、マラソン、自転車レース(ツールドフランス・タイ国大会)、モーターサイクルレースの6種で、これらについて楽しみ方などをアピ0ルシていく。タイ国スポーツ庁エリートスポーツ・スポーツ科学担当副総裁のナッタウット・ルアンウェート氏は、中でも3月20日から22日に3回目の開催を迎える世界最高峰の2輪ロードレース(Moto GP)は、昨年には22万6655人の観客を集め、うち海外からも41ヶ国の5万9525人が観戦するという成功を収め、タイ東北県ブリーラムによるスポーツをフックとした地域振興に貢献したと述べた。
またセミナーでは、プロゴルフツアーのほかブリラムマラソンやバンセーン42チョンブリマラソンなど5つの大きなマラソン大会、2年前から開催しているツールドフランス・タイ国大会、チェンマイでのウルトラトレイルランなど世界規模のスポーツ大会が増えていることも紹介した。
日本旅行業協会(JATA)海外旅行推進部長の稲田正彦氏は、タイのリゾート地では様々なテーマのある体験が可能だが、すでにバンコクマラソンなどは日本人参加者も多いと言及。そのうえで、スポーツは観光客の増加に有望な切口だと期待し、TATとJATAで2020年までにタイへの日本人旅行者数を拡大する覚書を2015年に締結をしていることに触れ、200万人の目標に向けて送客に努力をしたいと語った。
▽60周年記念で「お弁当ジャーニー」、新型コロナウィルス対策も紹介
TAT広報宣伝局長のグリッサナ・ゲーオタムロン氏は、TATが日本市場60周年キャンペーンとして旅行会社と商品開発する「お弁当ジャーニーツアー」について紹介。TATウェブサイトによると、タイのお弁当は「ピントー」と呼ばれ、もともとは日本語の「弁当」が語源。近年はステンレスやホーローなどの可愛らしい容器なども揃って注目を集めており、TATとしても「ピントー」を自然環境への配慮の象徴として捉えているところ。
2020年1月にイサーン地方に旅行会社やマスコミを招いたFAMツアーでもピントーを取り上げており、「お弁当ジャーニーツアー」ではピントー作り体験などを盛り込んだツアーなどを取り上げていく。
なお、新型コロナウィルスの対策については、入国に際し罹患患者を選り分けるための厳格な検査を実施。海外からの観光客が訪れる国際空港では、官民一体で衛生管理と清潔の維持に務めていると述べた。