LINEトラベルjp、「Connected Trip元年」の今年はIDを活用

  • 2020年1月19日

「Connected Trip」のイメージ(発表資料より)  LINEとベンチャーリパブリックは1月15日、都内で「LINEトラベルjp SYMPOSIUM」を開催した。LINEトラベルjpの最新の事業戦略などを旅行・観光業界関係者に説明するもので、自治体や航空会社、旅行会社などから約150名が参加した。

藤井氏  冒頭はLINE執行役員(O2O・コマース事業担当)の藤井英雄氏が挨拶。2018年6月のLINEトラベル(当時)の「プレローンチ」から、ベンチャーリパブリックとの資本業務提携によるブランド・サービス統合を経て、ホテル・航空券・ツアーの全ての取り扱いを開始した19年1月の「フルローンチ」、19年10月のウェブサイト版におけるポイント還元開始に至るまでの経緯を振り返った。

 その上で「まだ完全ではないが、ユーザーがウェブ版とLINEアプリ版で同じ体験をできるようになった。今年からは『LINEらしさ』の追求に焦点を当てていきたい」と今後の方針を説明。「すでに検索に関してはプロジェクトを立ち上げており、まずはホテルの検索スピード向上から進めている。そのほか、ウェブとLINEアプリのIDの共同活用、AI活用にも取り組み、一気通貫のトラベル体験の提供にチャレンジしていきたい」と意欲を示した。

本間氏  シンポジウムは「Airbnb今後の取り組み」「LINEトラベルインバウンド戦略」「LINEトラベル今後の戦略」の3部から成り、このうち「LINEトラベル今後の戦略」ではLINEトラベルサービスチームマネージャーの本間洋也氏が「我々は今年を『Connected Trip元年』と捉えている」と強調。「これまで旅行系サービスと、レンタカーやレストランなどその他の検索は別々となるのが一般的だったが、今後は旅行に関わる情報のすべてを旅行系サービスとして提供する速度が上がっていく」との見方を示した。

 その上で本間氏は「その時に課題となるのがサービスを実際に使ってもらうことで、ユーザーのパーソナライゼーションを行って、最適なプッシュを送れるかどうかがカギとなる。1つの選択肢としてLINEのIDを活用した新しいマーケティングに取り組んでいきたい」と説明。具体的には、LINEアプリ版の利用履歴やウェブ版の記事の閲覧履歴、LINEメッセンジャーのデータから分かる属性などを組み合わせることでユーザーの動きを可視化し「ワン・トゥー・ワンでターゲティングメッセージを送り、潜在ニーズの発掘にチャレンジしていく」と語った。

 また、業界内のさまざまな未活用データとLINEのデータを組み合わて、新しいマーケティング手法が生まれる可能性についても指摘。データを持つ事業者に対して「データ利用のアイデア交換をしていきたい」と呼びかけた。

柴田氏(左)と森氏  このほか「Airbnb今後の取り組み」ではベンチャーリパブリック副社長の柴田健一氏と、エアビーアンドビー・ジャパンのホームシェアリング事業統括本部法人営業部本部長を務める森厚雄氏がトークセッションを実施し、LINEトラベルjpとの連携効果について説明。「LINEトラベルインバウンド戦略」ではLINEの台湾チームとタイチームの現地担当者が、現地における訪日旅行需要動向などに関して最新情報を提供した。