全日空とヴァージン豪が包括提携、コードシェアで需要獲得
全日空(NH)と、3月末の羽田/ブリスベン線開設で初めて日本に就航するヴァージン・オーストラリア(VA)は1月17日、包括提携契約を締結した。コードシェアやマイレージ提携などを軸とするもので、NHにとって豪系航空会社との提携はアンセット・オーストラリア航空との提携以来約20年ぶり。VAにとって日系航空会社との提携は初めてとなる。なお、VAは昨年10月の時点で、羽田線についてNHとコードシェアを実施することを明らかにしている(関連記事)。
3月末の羽田国際線昼間枠の増枠により、NHは羽田/シドニー線の2便目を追加し、VAは羽田/ブリスベン線を新設する予定。スターアライアンスに属するNHと無所属のVAが手を組み、同じワンワールドに属し協力関係にある日本航空(JL)とカンタス航空(QF)と競合するかたち。なお、今回の増枠によりJLは羽田/シドニー線をQFは羽田/メルボルン線をそれぞれ新設する。
今回の包括提携契約においては、まずは羽田増枠前の1月30日にVAが運航するシドニー/メルボルン、ブリスベン、ゴールドコースト、ケアンズ、アデレード、キャンベラ線の計6路線でコードシェアを開始。今春以降には、NHが今年の夏ダイヤで1日2便化する羽田/シドニー線、昨年9月に就航した成田/パース線、日本国内線、VAが開設する羽田/ブリスベン線でもコードシェアを開始し、VAの豪州国内線については対象路線を拡大する予定。マイレージプログラムや上級会員のラウンジ利用、バゲージスルーなどでも連携する。
2018年の訪豪日本人旅行者数は47万人に上り、訪日豪州人旅行者数は18年が55万人、19年が62万人と最高記録を更新中。この日の記者会見に出席したNH取締役専務執行役員の藤村修一氏とVAチーフ・コマーシャル・オフィサーのジョン・マクラウド氏は、お互いの国内線ネットワークを活かしてさらなる需要の取り込みに努める考えを語った。
なお、マクラウド氏は現時点でVAがスターアライアンスなどのグローバルアライアンスに参加する考えはないことを説明。NHとの提携により「アライアンスに加盟したような状態」になることを期待するとした。