JAL、羽田9路線の新設を発表、ホノルルに2枠-成田は「今後もカギ」
赤坂氏「羽田を内際ハブ、成田を際際ハブに」
19日に都内の本社で開いた記者会見で代表取締役社長の赤坂祐二氏は、今後の羽田と成田の活用のイメージを「羽田を内・際のハブ、成田を際・際のハブとし、両空港の特性を活かしたネットワーク展開をはかる」と説明。羽田については首都圏の利用者の利便性向上に加えて、国内線ネットワークを活かして地域の需要を取り込み、成田については北米/アジア間を中心に世界の各地をつなぐハブ機能を強化して、新路線や来年の運航開始を予定するLCCのジップエアの拠点とする考えを示した。
赤坂氏は、米国5路線のうち2路線をホノルル線に宛てたことが、全日空(NH)が今年から成田/ホノルル線にA380型機を投入していることへの対抗策と見受けられることについては、「特段そのつもりはない」と述べた上で、市場における需要の変化やA380型機投入の影響を勘案して決定したことを説明。常務執行役員国際路線事業本部長の大貫哲也氏は、首都圏に加えて地方の需要を取り込めるようになることについて語った上で「1日2便でも十分対応できる」と語った。
今後の成田の位置づけについて赤坂氏は「成田については新たな滑走路も計画されており、今後も成長のカギになる」と強調。来年に入り成田/サンフランシスコ、ウラジオストク、ベンガルール線を開設することや、ジップエアもバンコク(スワンナプーム)、ソウル(仁川)線の運航開始を予定していることを改めて説明した。また、20年度中にはさらに3路線から5路線を増やして、そのうち1路線をジップエアの新路線とする見通しも表明。このほどジェットスター・ジャパン(GK)への出資率を50%にまで引き上げたことに関連して「(成田で)JLの国際線とGKの国内線による内・際ハブを考えてもいい」ともコメントした。
会見ではそのほか、10月に米国運輸省(DOT)が独占禁止法適用除外(ATI)を認めない暫定判断を下したハワイアン航空(HA)との共同事業(JV)について、11月12日までに再審査を求める書面を提出したことを報告。同じワンワールドに所属し、経営再建中のマレーシア航空(MH)とのJVについては、すでに日本サイドではATIが認められ、現在はマレーシア当局の決定を待っていることを伝えた。また、20年以降の中期経営計画の策定に入ったことも明らかにした。