マリアナ、スカイマーク直行便で10万人回復へ、地方路線誘致も

  • 2019年11月25日

(左から)一倉氏、PRマネージャーの澤田ゆか氏 スカイマーク(BC)が11月29日に成田からの直行便を就航するサイパン。デルタ航空(DL)の撤退から1年半での待望の直行便復活で、10月29日に開催したレセプションに北マリアナ諸島自治連邦区知事のラルフ・トーレス氏らも来日して参加するなど関係者の期待は大きい。このほど本誌取材に応じたマリアナ政府観光局(MVA)ゼネラルマネージャーの一倉隆氏は、「2、3年後にはできれば10万人を達成したい」と語り、神戸や中部からのフライト誘致などの取り組みを重ねることで、持続的な成長を実現したい考えを語った。

 一倉氏によると、DLが撤退した2018年のゴールデンウィーク以降は、昨年の大型チャーターから今夏にかけての一連のチャーターが設定された期間は相応の日本人訪問者数を迎えることができたものの、「それ以外は(訪問者数が)3桁の月が続いていた」ところ。もともとMVA日本事務所は2016年10月から委託先を変えて現体制となり、ちょうど4年目に入ったタイミングだが、「直行便を失い、昨年には大型台風もあり、3年間のうち半分は非常に苦しい時期」であった。

 そうしたなかで一倉氏は今回の直行便復活を、この3年間で進めてきたリブランドや新しいタグライン「3連休はマリアナ。」、新しい写真素材の提供などの取り組みがようやく実を結ぶ好機と捉える。ちょうどDLが撤退する直前は、こうした取り組みによってメディアでの取り上げられ方も変化してきたといい、BC就航を機会として「3時間で行ける日本から一番近いアメリカ」、「3つの特色ある島(サイパン、テニアン、ロタ)」、「3日で楽しめる」の「3つの3」を改めてアピールしていく考えだ・

 撤退前のDLと比較すると、BCの機材はDLよりも1機あたりの座席が少ないものの、一倉氏はBCが日系航空会社として安定的なデイリー運航を継続すると期待。BC機材の177席に365日を乗じて6万4605席、搭乗率80%で年間5万人超の旅行者受け入れをめざす。

 さらに、10万人の達成に向けては、BCが就航する神戸空港が2025年の大阪万博までに国際化する方向で検討が進められていることや、BC側から中部空港を含めた定期便やチャーターへの意欲が聞かれていることから、これらの誘致に力を入れる。

 具体的な活動としては、まずは成田直行便の成功のため、都内の主要駅で交通広告を展開しているほか、BCと共同で全国紙でも露出。さらに現地でもBCによる無料空港シャトルバスの運行に協力しているほか、BCがスタンプラリーや特典などを組み合わせて提供する「スカイマークパスポート」について現地側の参画も呼びかけているという。

 このほか一倉氏は、現地のインフラも「徐々に良くなってきている」と説明。例えばキャピトル・ヒルの道路が作り変えられたほか、「レストランもかなり良い雰囲気の店ができてきている」ところで、さらに「来年くらいには400室くらいのホテルが2軒オープンするのではないか」と予想。ホテルについては予想通りとなれば現状から客室が3割近く増えることとなり、さらに他の既存ホテルでもリニューアルの可能性もあることを紹介し、これからサイパンのイメージがさらに変わっていくとの見通しを披露した。