香港、デモでホテル稼働率が過去最低レベルか、8月実績

(2018年12月撮影)

 宿泊関連データを専門的に扱うSTRによると、2019年8月における香港のホテルの稼働率が前年比29.8ポイント減の63.9%となった。STRが把握する限り過去最低の数値という。

 8月はこのほか、客室供給量が1.5%増となったのに対し需要は28.8%減。平均客室単価(ADR)は21.0%減の1086.16香港ドル(約1万5000円)となり、RevPARも44.6%減の694.15香港ドル(約9600円)と大きく減少した。

 香港政府財政司司長のポール・チャン氏は公式ブログへの投稿で、訪香港旅行者数7月には5%減であったところから40%減となり、国際会議や展示会なども延期または開催地の変更を余儀なくされていることなどを報告したうえで、中小企業の救済策などに取り組んでいることを紹介。

 そして、信用格付業者のフィッチ・レーティングスが香港の1国2制度を疑問視して格付けを引き下げたことにも言及し、その判断は「推測に基づくもので根拠がなく」、1国2制度は「香港の成功にとって不可欠」であり、香港と中国いずれも1国2制度の包括的かつ間違いのない運用を重視していると強調している。

 また、キャセイパシフィック航空(CX)とキャセイドラゴン航空(KA)の8月の輸送実績では、旅客数が11.3%減の290万6954人となった一方、輸送量を表す有償旅客キロ(RPK)は3.6%減に留まった。RPKを方面別で見ると、中国本土が28.1%と急減し、日本を含む北東アジアも11.8%減となったが、南西太平洋方面は3.2%増、北米は1.0%増、欧州は3.3%増と中長距離はプラスで推移している。

CX/KA 8月の輸送実績

方面RPKASKロードファクター
中国本土652,971(71.9%)929,946(90.7%)70.2%(-18.4p)
北東アジア1,376,135(88.2%)1,845,282(102.3%)74.6%(-11.9p)
東南アジア1,414,548(92.0%)1,822,884(100.9%)77.6%(-7.5p)
南アジア/中東
/アフリカ
806,866(97.5%)1,029,294(104.8%)78.4%(-5.9p)
南西太平洋1,246,964(103.2%)1,496,876(100.3%)83.3%(2.3p)
北米3,223,621(101.0%)4,045,241(112.0%)79.7%(-8.7p)
欧州2,779,936(103.3%)3,222,711(108.5%)86.3%(-4.3p)
合計11,501,041(96.4%)14,392,234(105.1%)79.9%(-7.2p)
※RPK、ASKはの単位は千キロ
※カッコ内は前年比