タヒチ観光大臣、日本市場回復に意欲、需要の多様化も継続

  • 2019年9月15日

(左から)仏領ポリネシア政府観光・労働大臣のニコル・ブトー氏、タヒチ観光局COOのジーナ・バントン氏 仏領ポリネシア政府観光・労働大臣のニコル・ブトー氏がこのほど来日して9月12日に本誌などの取材に応じ、落ち込んでいる日本人旅行者数の回復に積極的に取り組んでいく方針を語った。

 タヒチを訪れる外国人旅行者の数は2019年上半期が前年比13.9%増となるなど好調に推移しているが、日本市場は減少傾向が続き、2018年には通年で1万人を割り込んだ。ただ、市場の7割を占める米国と欧州からの旅行者に続いて日本は3位の市場規模を維持しており、ブトー氏は日本市場復活により引き続きバランスを確保していきたい考えを説明。回復に向けて2019年からすでに予算を倍増しており、これまでの最高記録である2万3000人を2022年までに達成したいと意欲を示した。

 ブトー氏は、日本市場における課題として「認知不足」「航空アクセス」「客室不足」「高価格」の4点を指摘。認知度については、倍増した予算を使用してメディアや旅行会社向けのFAMツアーやセミナーを開催し、広報体制も強化。航空アクセスについては、昨冬ダイヤにおけるエア・タヒチ・ヌイ(TN)の運航スケジュール変更が一部で混乱をきたしたものの、この夏ダイヤから復旧したという。

ロートフリッチ氏(中央)、駐日フランス大使のローラン・ピック氏(左から2人目)も そしてホテル不足については、現在は45軒で2800室のキャパシティであるところから、2023年までに30%増とする計画であることを説明。日本市場へのアロットメントの維持も要請しているという。また、高価格についても、関係者と引き下げの可能性について協議している。

 タヒチ観光局日本支局COOの森啓三郎氏によると、旅行商品によっては宿泊地を工夫することなどで10万円台の旅行代金も実現できてきているといい、今後も引き続きハネムーナーだけでなくダイバーや、タヒチアンダンスなどの文化を目的とした旅行者、シニア、女子旅など需要の多様化に取り組んでいく考え。ハネムーナーの比率は、以前は8割から9割であったところから現在では6割程度になっているという。

 なお、同日には駐日フランス大使公邸開催されたレセプションには仏領ポリネシア政府副大統領のテヴァ・ロートフリッチ氏も参加。同氏は、集まった旅行業界関係者を前に「TNが就航してから2018年で20年。今回はこれから20年の未来を探しに来た」と挨拶し、ブトー氏と同様の意欲を表明した。