トラベル懇話会、総会で原会長が再任-観光庁審議官「日本の中核産業へ」
トラベル懇話会は9月4日、東京で第41期の通常総会と理事会、懇親会を開催し、次年度(2019年7月~2020年6月)の事業計画や役員体制を承認した。
懇親会では、会長に再任された風の旅行社代表取締役社長の原優二氏が冒頭、香港や韓国の現状や台風による計画運休などを念頭に「我々の産業は社会のなかの様々なリスクを背負わざるを得ない」とし、「知恵を絞ってやっていかないとなかなか乗り切っていけない」状況であると指摘。
一方、出国者数2000万人の目標達成の兆しについては、旅行会社離れの問題もあり「手放しには喜べない」としつつも明るいニュースと歓迎。そのうえで、「会員の皆様の自由闊達な議論と懇話」や提言などを通して、「海外旅行や観光市場を盛り上げていきたい」と意欲を語った。
また、来賓として登壇した観光庁審議官の加藤進氏は、原氏が言及した外的リスクの存在は認めつつも、出国者、訪日外客数が増加基調で、そして国際観光市場全体も拡大が予測されているとし、「それをいかに我が国の成長に結びつけていくのか、あるいは地域の活性化につなげていくのかが大きな課題」と挨拶。そして、それらの課題解決に取り組むことで「観光産業全体が日本の中核産業、基幹産業になっていく。そういったことに我々もしっかりと取り組んでいきたい」と強調した。
さらに、日本旅行業協会(JATA)理事長の志村格氏も、加藤氏の挨拶を受けて、地震などの被災地を観光で支援する取り組みが進められるなど「観光が重要な産業になってきている」と分析。さらに、中国の習近平主席がG20の来日時に相互交流人口の目標値として1500万人を掲げるなど、外交の一翼も担っていると紹介。そして、羽田の国際線網が拡大することも大きなチャンスであるとし、成長を実現するためにトラベル懇話会からも「ご意見をいただければ」と語った。
なお、事業計画では会員の増加に取り組むことを明記。正会員の数は8月31日現在で126名だが、年度末には140名へと増やす目標を掲げる。