クルプラと阪急が共同南極チャーター、21年2月にポナン船

  • 2019年8月25日

(左から)クルーズプラネットの小林氏、ポナンの伊知地氏  クルーズプラネットと阪急交通社は8月23日、2021年2月に共同でポナンの小型豪華客船「ロストラル」(全長142メートル、全幅18メートル、総トン数1万700トン)をチャーターし、南極クルーズを実施すると発表した。両社による共同チャーターは初めてで、クルーズプラネットにとっては初の南極チャータークルーズ。阪急交通社は昨年と今年、ポナンの「ル・ボレアル」で1回ずつ実施している。

 同日の発表会見でクルーズプラネット代表取締役社長の小林敦氏は、近年は地中海などの定番クルーズや日本発着クルーズなどに注力し、リピーターも増えていることを説明した上で、「リピーターは新しい海域を求めている」と主張。同社もこれまでに南極や北極圏に送客した経験があるが、「世界的にもエクスペディションクルーズが非常に増えていて、船会社も積極的な造船を進めている」ことなどから、今回の決定に至ったことを伝えた。

 ポナンの日本駐在ビジネスディベロップメントマネジャーの伊知地亮氏によれば、南極を訪れる日本人旅行者の数は年間400人から600人程度。なお、阪急交通社は都合により、この日の会見には出席しなかった。

ポナンの「ロストラル」  パッケージツアーの「大自然感動体験 南極紀行16日間」は8月26日に発売。「ロストラル」の定員は264名だが、南極条約によって一度に上陸できる人数が限られていることなどから、2社で190名のみ募集し、各社が半分ずつを販売する予定。旅行代金は2名1室利用で149万円から300万円とし、早期に申し込んだ人には10万円を割り引く。燃油費や諸税は別途徴収する。

 ツアーの出発日は2月20日で、成田または羽田からブエノスアイレスを経由し、ウシュアイアからロストラルに乗船。添乗員に加えて、伊知地氏もエクスペディションリーダーとして同行する。船内での10泊11日においては、各分野の専門家による南極セミナーを実施し、南極半島の周辺には5日間滞在する予定。成田および羽田までの国内線や、新幹線などによる国内の移動費は旅行会社が負担する。

 2011年に就航したロストラルのコンセプトは「極地へ冒険旅行に行けるラグジュアリー船」で、フランス船ならではの洗練されたインテリアや、著名シェフのアラン・デュカス氏の監修による本格的なフレンチなどが特徴。今回のツアーでは日本食も提供する。客室はほぼ全室がオーシャンビューという。

 伊知地氏はポナンが現在、同船を含めて4隻を南極に配船していることを説明し、「我々の成長のエンジンは南極」と強調。あわせて「21世紀は、より優雅に南極に行く時代」とアピールした。