デュシット、日本市場の拡大に注力、国内施設の開発も前向き
タイに本拠を置くデュシット・インターナショナルはこのほど、同社COOであるリム・キーン・クウィー氏をはじめとする関係者が来日し、都内でメディアイベントを開催した。冒頭、挨拶に立ったクウィー氏は日本市場について、「2017年以降、客室利用者の上位5ヶ国のうち利用者が継続して伸びている唯一の国。重要な市場であり、一層拡大していけるよう取り組む」と語った。
デュシットは近年、経営の拡大と多角化を進めている。昨年9月にはアジアの高級バケーションレンタル・プロバイダーであるエリートヘブンズを買収。また、ミレニアル世代をターゲットにした5つめのブランド「ASAIホテル」を発表したほか、食品業界にも進出を果たした。今年はこの第2四半期までに、デュシットスイートホテル・ラチャダムリ・バンコクなど5軒のホテルをオープンし、さらに今後5年間で現在の14ヶ国から25ヶ国に展開予定と、さらなる拡大を計画している。
このほか、来年1月にはグループの象徴的存在であるデュシタニ・バンコクが全面リニューアルのため一時クローズ。新しいホテルは、周辺一帯の再開発とともに総工費12億米ドルをかけて建設され、2023年に複合施設「デュシット・セントラルパーク」の中心として再オープンする予定だ。
続いて、3月29日にフィリピン・セブ島にオープンしたデュシタニ・マクタン・セブで総支配人を務めるデビッド・アンソニー・ボールドウィン氏が登壇。同ホテルについては、「総客室数272室、スイート16室を備えるリゾートホテルで、プンタ・エンガノ半島の西側に位置し客室から夕日を見ることができる唯一のホテル」と特色を説明。同時に、ホテル周辺はリゾートホテルが集中する反面、道路が狭くアクセスが課題だが、自ホテルは「空港から船に乗って20分から30分ほどでアクセス可能」と利点を強調した。
客室をはじめとする施設は、ビーチに面したプールを取り囲むように配置され、インテリアは風景を十分に楽しめるよう落ち着いたアースカラーにまとめられている。また、当地では最大という1235平方メートルのボールルームをはじめ、大小9つの会議場を備えており、MICE需要にも期待する。
なお、好調な日本市場についてクウィー氏は、本誌の取材に答える形で「日本のお客様はお子様を伴ったファミリーでのご利用が多い。お子様のための施設を十分に提供できるかが重要」と指摘。また日本参入についても「必ず実現させたい。日本でリゾート開発をすれば、日本での認知度が飛躍的に高まる」と強い意欲を示した。