海外事故発生率、18年度は微増の3.7%-ジェイアイ調査

  • 2019年7月28日

 ジェイアイ傷害火災保険がこのほど発表した「2018年度海外旅行保険事故データ」によれば、18年4月から19年3月までの1年間における事故発生率は前年比0.3%ポイント増の3.7%となった。同社の保険加入者のうち、27人に1人が何らかの事故に遭遇したことになる。調査は1996年から実施しているもので、事故の件数は開示していない。

 最も件数が多かった項目は例年通り、怪我や疾病の治療費用や搬送費用などを補償する「治療・救援費用」で2.7ポイント減の46.4%。2位は手荷物の盗難や破損などを補償する「携行品損害」で3.0ポイント減の26.9%だった。3位は航空機の遅延や欠航、ロストバゲージなどを補償する「旅行事故緊急費用」で、台風の影響により6.3ポイント増の23.0%に。上位3位で全体の96.3%を占めた。

 地域別では、欧州は経由便における荷物の積替時にスーツケースの破損が起きやすいことなどから「携行品損害」が、アジアとオセアニアは衛生環境が悪い地域が多くことなどから「治療・救援費用」がそれぞれ多い傾向は変わらず。グアムとサイパンは「旅行事故緊急費用」の割合が大きく増加して約半分を占めたが、理由については把握していないという。

 治療・救援費用の保険金支払いの最高額は3052万円で、ハワイのホテルで心筋梗塞により意識を失った患者が19日間入院したケース。手術や家族の渡航、看護師の付き添いによる医療搬送などもあり費用が膨らんだが、治療・救援費用の保険金額が無制限のプランに加入していたという。

無制限プランを選択した保険加入者は、全体の44.0%で半数以下。ただしインターネット契約や企業包括契約などを除いた、旅行会社の店舗などでの加入者においては76.2%が無制限プランを選択したという。