南アフリカ、サビ・サビで過ごす、とびきり優雅なゲームドライブ

  • 2019年7月17日

世界最高クラスのグランピングを楽しめるサビサンド私営動物保護区

ビッグ5のほかサビサンド私営保護区内には、300種以上の鳥類と47種の大型哺乳類種、57種の爬虫類が棲息していると言われる

 どこまでも広がる草原に4WDで走り出し、ライオンや象をはじめとする野生動物を探し求める。自由に飛び回る美しい鳥を観察し、果てしない地平線を眺めながら、暖かい珈琲を味わう。

 ゲームドライブは、南アフリカ共和国を代表する観光アトラクションだ。南アフリカ北東部のクルーガー国立公園一帯には、ライオン、ヒョウ、象、サイ、バッファローという「ビッグ5」をはじめ、キリン、シマウマ、カバなど野生動物が多数棲息しているが、これらの動物を、ガイド付きの車や徒歩で観察するプログラムをゲームドライブという。

 ゲームドライブは、ケニアやボツワナなどアフリカの多くの国で実施されている。その中でも南アフリカは、施設が充実した高級リゾートが多く、日本で言うグランピングを楽しめるのが特徴だ。特にクルーガー国立公園に隣接するサビサンド私営動物保護区には、世界有数の高級リゾートロッジが揃っている。

アース・ロッジのヴィラは土を素材とした地球環境に優しい建築。各ヴィラ同士も離れており、とびきりのプライベート空間だ

 サビサンド私営動物保護区は、サビー川とサンド川に挟まれた標高300m前後の低高原地帯に位置し、独自の厳しい基準で生態系が保護されている。オフロードからの観察など国立公園ではできない体験も可能で、ビッグ5との遭遇率が高いことで知られる。

 その保護区内でひときわ豪華なリゾートロッジが「サビ・サビ」だ。1979年に設立され、ブッシュ・ロッジ、リトルブッシュ・キャンプ、セラティ・キャンプ、アース・ロッジというコンセプトの異なる4つのロッジがある。

空港から始まる「ゲームドライブ」

 サビ・サビへは、ヨハネスブルグのORタンボ空港から旅客機で約50分のスククーザ空港がゲートウェイとなる。南アフリカ航空(SA)系列のエアーリンク(4Z)によって定期便が就航しており、アクセスの良さが強みだ。送迎の車に乗って空港を出ると、そこは地平線が見えるクルーガー国立公園。国立公園と私営保護区の境界にある道を北上すると、インパラの群れが現れた。もう、ゲームドライブは始まっているのだ。

ロッジは野生動物と共生しており、猿やインパラが日常的に現れる

 車を降り、草木のトンネルを抜けると、ブッシュ・ロッジのエントランスがあった。冷たいおしぼりとウェルカムドリンクで歓迎を受ける。レセプションには、オーナーがアフリカ各地で蒐集した民芸品などがセンス良く展示され、風が吹き抜けるラウンジからは、シマウマやワイルドビースト(ヌー)が集まる水場を見晴らせる。隣のプールでは猿の親子がたわむれ、宿泊棟の横ではインパラの子供が草を食む。ここは、動物と人間が共存する空間だ。