持続可能な観光先進国へ 観光庁がオーバーツーリズム懸念で報告書
観光庁は6月12日、観光の急激な環境変化に各地域がさらされている現状を踏まえ、報告書「持続可能な観光先進国に向けて」をまとめた。
報告書は、近年の訪日外国人客の急増を起因とする課題、オーバーツーリズムを懸念する声が高まってきたことを受けてのもの。2018年6月に観光庁長官を本部長とする「持続可能な観光推進本部」を設置、調査・検討を進めてきた。
報告書では、首相観光地の現状や全国的な傾向を抽出。その結果から今後の取り組みの方向性を示した。
主要観光地を抱える全国138の自治体から得た回答からは、回答した全自治体が、旅行者の増加に関係する課題を認識。特に混雑やマナー違反に強い懸念を示しており、各自治体が課題を講じ始めてきた段階にあるという。
一方で、オーバーツーリズムに対しては、全国的には他の主要観光国と比較して「広く発生するにはいたっていない」と分析している。他国と比べて市民生活への影響は低く、訪日外国人客、日本人観光客も含めて満足度の低下や旅行判断には影響していないという判断から。
これを踏まえ、「持続可能な観光先進国」実現に向け、(1)京都など代表的な観光地で、自治体と協力して課題に関するモデル事業を実施、国内外の先行事例とともに全国に横展開(2)自治体やDMOが現状把握の結果に基づき持続可能な観光地経営を行うよう、国際基準に準拠した「持続可能な観光指標」を開発・普及−という方向性を示している。
情報提供:トラベルニュース社