旅券の旧姓併記、パンフで入国トラブル回避へ-河野大臣ブログ

  • 2019年6月23日

 外務大臣の河野太郎氏は6月21日、同氏の公式ウェブサイト上のブログで、旅券面に例外として記載を認めている旧姓など戸籍名以外の別名に関して、渡航先への入国時に記載の意味を説明するためのパンフレットを制作することを明らかにした。パスポートに挟めるサイズで作成し、入国管理局に旅券と一緒に提示できるようにする。あわせて外務省のウェブサイトに、英文による説明のためのページも設ける。時期については同日の定例会見で「対応に向けて準備をしており、でき次第やる」と語った。

 河野氏によれば、旅券面に括弧書きで旧姓などを併記することは日本独自の対応で、その意味が渡航先では理解されず、あわせて旧姓などのデータは機械が読み取るICチップなどには記録されないため、トラブルが発生するおそれがあるという。昨年に交付された一般旅券では0.76%に旧姓など別名の併記があり、これまではトラブルに対して自己責任で対応する必要があることを説明した上で交付してきたとのこと。

 現行制度では旅券に別名を併記する場合は、外国の公的機関が発行した綴りを確認できる書類や、外国における旧姓での活動や実績を確認できる書類、職場などで旧姓の使用が認められていることや業務により渡航する必要があることを確認できる書類の提出が求められる。しかし今後は、戸籍などにより旧姓が確認できれば、外国における旧姓での活動や実績を確認できる書類などの提出を必要としないように制度を改める方針。別名の券面における記載方法についても、解りやすくする方法を検討するという。

 なお、これらの改良後も、ICチップなどの読取部分には別名のデータは記録しない方針としている。